登録情報
|
この本は梨木さんのエッセイということで興味が湧き読んでみました。
とても感動しました! というのは、
梨木さんの視線を通すと、最近人間・自然愛不信に陥っている私でも
世の中全ての事柄(人も自然も)が美しく、愛しく感ぜられるようになってくるのです。
そのことが嬉しくてちびっと泣いちまいました。
例えば、英国滞在時の、ある地方の駅でのはなし。
間違えて目当ての駅に降りそこなった梨木さんは、見たことも聞いたこともないうらびれた駅に降りてしまいます。
すごく不安になって慌てた梨木さん。しかも、駅員さんは無愛想なおじいさん。
だけど、そんな中でも、彼のふと見せる動作や表情を親近感を持って眺め、
何だか人間愛を彼との間に通わせちまうのです。
会ったことも無いけど、私もその駅員さん好きになっちゃいました!
また、随所に描かれる風景の描写。
美しい!!
こんなにも地球は美しかったのか! ひねくれもんの私でも、
つい外を眺め、小鳥のさえずりや木々の息吹を聞こうとしたぐらいです
(しかし悲しいかな、家の外はちびっこい庭に悲しく生えている柿の木ぐらいしかないのです…)。
英国での彼女のホストマザーでもあり、親友でもあるウェスト夫人の
影響するところが大きいのかもしれませんが、
人種の問題、戦争の問題なども出てきて、言及されています。
色々な人種がいて、彼等と自分の間には生活や考え方の違いが歴然とある。
でも、違いを理解はできないがその違いを受け止めあうことが大切なのだろう、と彼女は言っています。
今イラク問題で世の中混乱していますが、彼女のように皆で考えていけたら
もう少し穏やかになると思うんだけど。。。
題名である、「春になったら苺を摘みに」とは、そんな彼女の人間愛、
意訳すれば
平和への祈りが、込められた一文なのだと読み進めた最後にわかります。
春になったら苺を摘みに。そんな他愛もないことが普通にできることの素晴らしさ。
この地球がずっとそうであり続けられるように…!と。
お年を召した女性の皆さんの上品な魅力とか、寄り集まって相談するところとか、異文化の衝突とか、どの話もおかしみがあるのに年を経ることの愛おしさと切なさを感じるというか、なんというか梨木さんらしい優しくて切ない作品で、この本のなかの登場人物になりたいと熱望させてくれる本でした。
英語学習の面からも、何か書いてくれないものでしょうか…。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|