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春、バーニーズで (文春文庫)
 
 

春、バーニーズで (文春文庫) [文庫]

吉田 修一
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

妻と幼い息子を連れた筒井は、むかし一緒に暮らしていたその人と、偶然バーニーズで再会する。懐かしいその人は、まだ学生らしき若い男の服を選んでいた。日常のふとしたときに流れ出す、選ばなかったもうひとつの時間。デビュー作「最後の息子」の主人公のその後が、精緻な文章で綴られる連作短篇集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉田 修一
1968年生まれ。高校まで長崎で過ごし上京。法政大学経営学部卒業。97年、「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が芥川賞候補作となる。その後も「破片」「グリンピース」「Water」「突風」等の作品を次々と発表。2002年、『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 180ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/12/6)
  • ISBN-10: 4167665042
  • ISBN-13: 978-4167665043
  • 発売日: 2007/12/6
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 3.0 日常生活のあやうさを描く, 2007/12/19
レビュー対象商品: 春、バーニーズで (文春文庫) (文庫)
 東京郊外の妻の実家で日常生活を送るサラリーマンを主人公とした連作短編。
 吉田修一は日常のスケッチが上手い。通勤風景ひとつを取っても、売店でスポーツ紙を買う若い女、口元から矯正器の覗く女子高生、下品な花柄の大きなバッグを抱えたおばさん...と、存在はしているのにこれまでの文学が見過ごしている風俗を活写している。
 この小説は日常生活、自分という存在、他者との関係、そういったもののあやうさを描いている。場所を聞いていたわけじゃなくても駐輪場ですぐに妻の自転車を見つけられたり、唇の動きだけでお互いの言いたい事が伝わったり、少なくとも主人公夫婦はそういう関係にある。それでも、この主人公は、会社に車で向かう途中で、“衝動的に”ハンドルを左に切り、日常からの逃避行を図るのだ。そして、行き先として、高校の修学旅行で時計を置き忘れた日光東照宮を思いつく。それは置き忘れてきた時間、あったかもしれないもう一人の自分の人生に思いを馳せる小旅行だ。
 日常生活の危うさは「狼少年ごっこ」と名づけられた夫婦の遊びにも象徴されている。お互いに嘘を付き合って、衝撃的な嘘を言ったほうが勝ち、という他愛の無い遊びだが、絶対に嘘に限るというルールなのに、主人公は「昔、オカマと同棲していた」と事実を語る。妻は「昔、オジサンに体を売ったことがある」と話す...みんな嘘のような過去を抱えながら、今は今の関係の中で生きているのだろう。
 この連作短編は吉田修一のエッセンスは感じられるが、この作品から入ることはあまりお勧めできない。他の作品で吉田修一の魅力を感じてから、この作品を手に取ったほうがより味わえる、そんな小品である。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 タイトル勝ち, 2007/12/22
レビュー対象商品: 春、バーニーズで (文春文庫) (文庫)
人の第一印象が、見た目で決まるように、本だって、装丁とタイトルで手に取られるかどうかは決まる。
そういう意味で、この本は「タイトル勝ち」だと思う。

『春、バーニーズで』。
僕にとってバーニーズニューヨークは、ちょっと背伸びして買うブランド。
それに、吉田修一が描き出す、ちょっと手を伸ばせばありそうな恋愛が絡むと思うと、買わずにはいられない。

『春、ビームスで』だと稚拙な学生恋愛小説に聞こえるし、
『春、ブルガリで』だと、胡散臭い愛人話に聞こえる。
その微妙なさじ加減がうまい。

内容もタイトル負けせず、心理描写が細やかで、奥行きがある。
夫婦で、「ウソを言い合う遊び」をしながら、ついホントのことを晒してしまうシーンは、場の空気まで、実にリアリティがある。

ありふれた世界でも、吉田修一が、
「恋愛」という道具を使って切り取れば、何層にも味わいが広がる。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 傑作, 2008/8/27
レビュー対象商品: 春、バーニーズで (単行本)
同氏の小説「最後の息子」の続編。
結婚し、子供をもった30代男性の日常を上手く描いている。
吉田修一の作品のほとんどに言えることだが、リアリティに富み、主人公が身近に感じられ、作品に入り込んでしまう。
「最後の息子」を読んだ人には、是非とも読んでいただきたい。
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