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映画論講義
 
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映画論講義 [単行本]

蓮實 重彦
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

世界の映画批評ネットワークの中心にいて、ますます旺盛な批評活動を展開する著者の最新講演集。映画の豊かな歴史と可能性を、作家・作品に即して語る。ハワード・ホークス、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、そして溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男。さらに、ジャック・ベッケル、グル・ダット、ダニエル・シュミット、クリント・イーストウッド、侯孝賢、賈樟柯。聴衆を魅了してやまない著者の講義を、です・ます体で再現。

内容(「BOOK」データベースより)

無数の細部からなる映画の魅力―。豊かな映画史の中から言葉を紡いだ心躍らせる講義。

登録情報

  • 単行本: 516ページ
  • 出版社: 東京大学出版会 (2008/9/27)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 413083049X
  • ISBN-13: 978-4130830492
  • 発売日: 2008/9/27
  • 商品の寸法: 20.8 x 15 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 本書には蓮實が96年から07年にかけて行った講演など、映画をめぐる34本の「口語的なテクスト」を収めるが、「不特定多数の人々に向って口にされた、多少とも啓蒙的な体裁に収まってはいても、本質的には啓蒙的であることを回避しようとする批評的な構想にもとづく」(p464)と述べられている。この「批評」の意味を知りたい向きは「早稲田文学1」の蓮實インタビューが参考になる。
 しかしそのインタビューでより興味深いのは、蓮實の次のような告白だ。批評家なら誰でも、テクストのあらゆる記号を目覚めさせ、収拾がつかなくなる状況を身をもって体験したいと思うだろう。しかしそのような環境に身をさらすことを自分はどこかで避け、「結局は自分の身を維持するようなかたちでしかものを書いてこなかった」(p346)。そしてバルトでさえそこには至れなかったと述べた後、「結局のところ、あらゆる批評家は、ぎりぎりのところまで行った場合の自分を思い描きながら、誰もがその手前で立ち止まり、それより先に足を踏み入れずにいる」(p345)と断じ、その理由を「記号を存在せしめることで主体が非在化されること」(p344)への恐怖に求めている。
 ところが蓮實はこれに続き、決定的なことを口にする。教師として講壇に立つことで、バルトは「かろうじて、また心ならずも自分を護った」(p344)。「わたくしもそうですが、講壇に立つとき、まどろんでいる記号をことごとく覚醒させることなどできないと、誰もがあらかじめ自己抑制してしまう」(p343)。講義を聞くことは、作品に直接触れることほどエネルギーを消費しない……これに続く「人類は本を読むことが嫌いだから、そういう講義にひとが集まるのです」(p343)という言葉は、「人類はフィルムを見ることが好きでないから、そういう講義にひとが集まるのです」と読み換えられよう。況や講義録など読む人間に於いてをや!
 ……というワケで、そこまで分かった上で本書を上梓する蓮實は相当に喰えない教師であり、たとえ啓蒙的ではないにしても訓育的ではある。護身の術も知らぬまま蓮實の誘惑の言葉に乗せられて、蓮實とチキンレースなどしたら身を滅ぼします。
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35 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ここ10年ほどの蓮實重彦の映画評論(にかぎらずこれは彼の批評についてもいえることだと思うが)以前、あれほどいとも簡単に映画を物語に還元してしまうことにひたすらあがない続けることで生み出された、従来の映画評論に楔を打ち込み新たなる地平を開いたあの蓮實節はすっかり影を潜めてしまい、それとともにその内容までもきわめて凡庸な作品解説にとどまってしまっている感が否めない。本人も以前インタヴューを受けたときに(こうした文体を使用するという)戦略の有効性というのを話していたことを記憶しているのだが、いったいなにが蓮實重彦をこうも変えてしまったのか?とにかくあの文体に魅力されたものにとっては蓮實重彦がなにか批評現場の最前線にはもういないのだということを感じざるをえなかった。ある意味で映画を取り巻く環境もそれだけ成熟してしまったともいえるのだろうが。
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By モワノンプリュ VINE™ メンバー
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 本書には蓮實が96年から07年にかけて行った講演など、映画をめぐる34本の「口語的なテクスト」を収めるが、「不特定多数の人々に向って口にされた、多少とも啓蒙的な体裁に収まってはいても、本質的には啓蒙的であることを回避しようとする批評的な構想にもとづく」(p464)と述べられている。この「批評」の意味を知りたい向きは「早稲田文学1」の蓮實インタビューが参考になる。
 しかしそのインタビューでより興味深いのは、蓮實の次のような告白だ。批評家なら誰でも、テクストのあらゆる記号を目覚めさせ、収拾がつかなくなる状況を身をもって体験したいと思うだろう。しかしそのような環境に身をさらすことを自分はどこかで避け、「結局は自分の身を維持するようなかたちでしかものを書いてこなかった」(p346)。そしてバルトでさえそこには至れなかったと述べた後、「結局のところ、あらゆる批評家は、ぎりぎりのところまで行った場合の自分を思い描きながら、誰もがその手前で立ち止まり、それより先に足を踏み入れずにいる」(p345)と断じ、その理由を「記号を存在せしめることで主体が非在化されること」(p344)への恐怖に求めている。
 ところが蓮實はこれに続き、決定的なことを口にする。教師として講壇に立つことで、バルトは「かろうじて、また心ならずも自分を護った」(p344)。「わたくしもそうですが、講壇に立つとき、まどろんでいる記号をことごとく覚醒させることなどできないと、誰もがあらかじめ自己抑制してしまう」(p343)。講義を聞くことは、作品に直接触れることほどエネルギーを消費しない……これに続く「人類は本を読むことが嫌いだから、そういう講義にひとが集まるのです」(p343)という言葉は、「人類はフィルムを見ることが好きでないから、そういう講義にひとが集まるのです」と読み換えられよう。
 護身の術も知らぬまま蓮實の誘惑の言葉に乗せられて、蓮實とチキンレースなどしたら身を滅ぼす。
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