内容紹介
演劇界の鬼才、演劇人として名高い著者が、何故、演劇の本ではなく、映画の本を上梓するに至ったのか……。まず疑問に思われることでしょう。また、あの有頂天のKERAが、とうとう幼い頃からの夢を叶え、映画監督になっていたのか……と、感慨深い方もいらっしゃるでしょう。えっ、日本人だったの?と、初めて知った方もいらっしゃるでしょうね。しかしどうしてまた、よりによってこんなタイトルに……?
厳密に言えば、著者が長く(といっても6年間)映像作品を撮り続けた結果、タイトルにあるような心境になってしまったからで、結構ガチかもしれません。どこまで本気でガチかは本書を読んで頂くとして、これは決して映画業界をバカバカと言って罵倒したり糾弾したりの所謂「暴露本」ではないことを、あらかじめここでお断りしておきます。ひとりのクリエイターが、あくまでもひとりで苦悩する姿がここにあります。かといって、愚痴ばかりたれたドロドロした内容ではありません。サラっと読めます。逆にじっくり読んでみたくなりますよ。そして、二度、三度と続けて読みたくなります。閉じたらまた開きたくなる。やめられなくなるかもしれませんが、麻薬と違って堂々たる合法ですからご心配なく。
また、成海璃子さんをはじめ、今をときめく女優さんたちの特写やインタビューまでもが掲載されていますが、ラブの要素は皆無ですので何卒ご了承ください。
さらに、新作映画『罪とか罰とか』のシナリオを一挙掲載、大サービスです。映画を観てピンときた方々、是非シナリオまで読み込んで下さい。そもそも、好き嫌いがここまではっきりと分かれる作品も、そうないでしょう。これもそんな一冊かもしれません。つまり、この本は著者にとって「自分の作品は皆さんに(つまりあなたに)理解してもらえるのかどうか」逆に言えば「あなたは、この作品を理解できるのかどうか」という、いわば「踏み絵」的な一冊です。くれぐれも本当に踏んづけたりしないで下さいね。滑ってずっこけても責任とれませんから。
著者について
1963年1月3日生まれ。東京都渋谷区出身。1982年、ニューウェーブバンド「有頂天」を結成。83年よりインディーズ・レーベル「ナゴムレコード」を運営、自身の作品の他、筋肉少女帯、ばちかぶり、たま、人生(後の電気グルーヴ)等のレコード・CD、70作品以上をプロデュース。
音楽活動と並行し、85年に犬山イヌコ(当時は犬山犬子)、みのすけ、田口トモロヲらと「劇団健康」を旗揚げ、演劇活動を開始。92年の解散後、93年に「ナイロン100℃」を始動。
98年には『フローズン・ビーチ』で第43回岸田國士戯曲賞を受賞。以降、2000年 ・東京都千年文化芸術祭優秀作品賞(『ナイス・エイジ』)、02年・第1回朝日舞台芸術賞(01年の活動全般に対して)、第5回鶴屋南北戯曲賞・第9回読売演劇大賞優秀演出家賞(『室温 〜夜の音楽〜』)、07年・第14回読売演劇大賞最優秀作品賞(『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』)等、受賞歴多数。近年、舞台では劇団公演のみならず、KERA・MAP、オリガト・プラスティコなどのユニット活動も活発化している。
近年の作・演出作品には『わが闇』(07年)、『シャープさんフラットさん』・『あれから』(08年)、『神様とその他の変種』(09年4月上演予定)。演出作品に『どん底』(08年)、『しとやかな獣』(09年)。脚本作品に『アンドゥ家の一夜』(09年6月上演予定/蜷川幸雄演出)がある。
映像活動としては、初監督映画『1980』(03年)、『ガール・ミーツ・ガール』(TV/05年)、『おいしい殺し方』(TV→レイトショー公開/06年)、『時効警察シリーズ』 (TV/06年・07年/各1話ずつ)、『グミ・チョコレート・パイン』(07年)、『罪とか罰とか』(09年)で脚本・監督を務める。
09年3月には、19年ぶりのエッセイ集『労働者K』(角川学芸出版・刊)を発売。
また、バンド「ケラ&ザ・シンセサイザーズ」のアルバム『15 ELEPHANTS』(07年)のリリース、犬山イヌコとの隔月トークライヴ「INU-KERA」(新宿ロフトプラスワンにて続行中)の開催と、八面六臂の活躍を見せる真性ワーカホリック、山羊座のA型。