藤子先生亡き後、ドラえもんが大好きで大好きでたまらない世代が制作、監督した作品、『帰ってきたドラえもん』。
ドラファンなら誰もが把握している有名なエピソードですが、瑞々しい感性によって新しい生命を吹き込まれた作品です。ドラえもん博士を自称していた私も、終始涙があふれ、終了後30分間は号泣しっぱなしでした。
光と影で表現された画面いっぱいに広がる、センチメンタルな空気感。その空気感を壊さない、必要最小限に抑えられた効果的な音楽。
一度は散った、出会いと別れの象徴さくらが“ドラえもんの最後の力”で再び咲き誇り、満開になる場面。亡きおばあちゃんの遺言を原点に、悲痛な決意を胸にジャイアンに立ち向かうのび太くん。
ドラ焼きを両手に謝りに来るジャイアンとスネ夫。のび太くんを気遣う優しいしずかちゃん。のび太くんを静かに見守るパパとママ。そして、終始穏やかな表情のドラえもんとのび太くん。
藤子先生も大きく頷かれることうけあいの、数々の名演出が散りばめられたこの作品は号泣しつつも、単に「感動する」という一言では片付けられないたくさんの魅力に溢れています。ドラえもんで育ち、ドラえもんが大好きで大好きでたまらない人にには、ぜひ見ていただきたい新しい傑作です。