前作「新宇宙開拓史」と前々作「緑の巨人伝」に比べれば悪くない仕上がりですが、「新魔界大冒険」に比べれば遥かに見劣りする記念作の登場です。話自体は
原作にある短編を土台にして、そこに「海底鬼岩城」のエッセンスを加味した非常に手堅い作りにはなっています。まさに、教科書通りに作った作品と言っても過言では
ないです。それゆえなのか、脚本家と監督の力量不足なのかただ単に作っただけといった雰囲気が漂い、ドラえもん達とゲストキャラクターの心の交流がしっかりと描かれていない
状態になっています。「新魔界大冒険」以外の水田ドラの致命的な弱点である中盤の中だるみも酷く、映画館で子供達が退屈そうにしていました。ここまで来ると、「作っている」のでは
なく「作らされている」のではないかと思い、スタッフに同情すら感じてしまいました。反面、シリーズに再び武田鉄也さんの歌が挿入歌として使用されたり、ドラミからの電話の着信音が
「ミニドラSOS」から使用されてりるドラミのテーマだったりと細かいところでファンサービスを心がけているのは分かりました。今回は、タレント声優たちも目立たない役で起用されていたので
そういった意味での不快さはありませんでした。
連載40周年、映画30周年を記念した作品とは思えないくらい退屈な作品でした。未見の方はレンタルで一度見てから購入を決められた方が良いと
思います。次回作は「新魔界大冒険」の寺本監督がメガホンを取るようですので、そっちに期待してます。このままでは、映画ドラえもんに未来はありません。キャッチコピーの「キミが、待ってる
未来がある」が皮肉に聞こえます。