公開からDVD発売まで実に6年。劣化が不安でビデオ購入を見送ったことを多少悔やみ始めていた矢先の朗報でした。ぶりちゃん(ぶりぶりざえもん)ファンには本当に嬉しい限りです。何と言っても、劇場版では最もぶりちゃんが活躍する、ぶりちゃんなしには語れない作品ですから。(但し、登場は本編開始から約60分後(Chapter17から)ですが)
5歳児が主人公のアニメ作品で、敵はサイバーテロを企む国際的な秘密結社……あの『ホーム・アローン3』にも劣らない発想の突飛さ・スケールの大きさは、大人が見ても十分に楽しめるものがあります。DVDならではの「日本語字幕」の面白さも再発見出来ます。
『クレヨンしんちゃん』というアニメの特徴は、一見、受けを狙って作られたとしか思えないような、お下品で困った言動が売りの幼稚園児を中心に展開する作品と見えながら、実は子どもの本質に繋がる部分を要所要所できちんと押さえ、しかも、誰もが忘れてはならない大切なメッセージの数々をしっかりと描き伝え続けていること――ではないかと思われます。もしかすると、そうした外面を装っていなければ、愛や友情や勇気や正義、そして生命の大切さ、感謝の心――といった主題を、語りにくい時代になって来ているのかも知れません。それを確かに感じたのが、この『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』でした。初めて劇場で見た時には、大の大人がクライマックス場面で思わず涙を零してしまった位です。後に、『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』が文化庁から表彰された時、「何で今更……」と感じてしまったのは、それより四年も前にこの作品を見ていたからだと思います。
一度、騙されたと思って、おかしな先入観なしに見て戴きたい、理屈抜きに楽しんで戴きたい、そうして、うわべのお下品さや過激なギャグのベールに隠された大切なテーマを感じ取って、素直に「おお!」と感心して戴きたい作品です。