怪獣映画史的に言えば、時期的には『ガメラ3』と同じ年。
巨大感の演出に関しては『ガメラ2』の延長上、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ』の路線(いずれも金子監督)といえます。アニメならではのアオリでパースのついた高圧電線鉄塔の破壊シーンなどはみどころです。
本作が素晴らしいのは特撮映画でいう本編パート部分。
テレビ番組が通常放送から次第に特番に替わっていく過程や、巨大ロボット(怪獣)の侵攻に合わせて避難命令が出るあたり、そしてしんのすけの幼稚園から知り合いが次々に避難して散り散りになっていく分かれの寂寥感に到るまでの(逆説的ですが)盛り上がりは怪獣映画史上類を見ません。
お遊びとしては、丹波哲郎が温泉の神“丹波”として似顔絵キャラで出たり、いろいろあるのですが、全体の印象としてはもうひとつ活きていない感じです。
やはり最大の原因は、温泉GメンとYUZAMEいう秘密組織をめぐる抗争と、(いくらYUZAMEの最終兵器とはいえ)巨大ロボットが暴れる怪獣映画のパロディとがちぐはぐなところでしょう。いくらなんでもありのギャグアニメとはいっても、1つの映画に2つの大きなパロディを入れるのは無理があるでしょう。
(怪獣映画パートが面白すぎるだけかもしれませんが)
なんだかんだ言っても怪獣映画ファンは必見です。怪獣大戦争マーチやゴジラ(自衛隊のテーマ)が伊福部サウンドまんまで流れるのはもちろん、巨大ロボットの本作オリジナルのBGMも伊福部調になっているなど、この一連のシークエンスにおけるこだわりは相当なもの。
最初は笑いながらも、先に挙げた住民非難のシーンでは、いつの間にか物語に引き込まれていること間違いありません。