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映画を見ると得をする (新潮文庫)
 
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映画を見ると得をする (新潮文庫) [文庫]

池波 正太郎
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ映画を見るのかといえば…。人間はだれしも一つの人生しか経験できない。だから様々な人生を知りたくなる。しかも映画は、わずか2時間で隣の人を見るように人生を見られる。それ故、映画を見るとその人の世界が広がり、人間に幅ができ灰汁ぬけてくる。その逆に映画を見ようとしない人は…。シネマディクト(映画狂)の著者が映画の選び方から楽しみ方、効用を縦横に語りつくす。

登録情報

  • 文庫: 215ページ
  • 出版社: 新潮社 (1987/07)
  • ISBN-10: 4101156336
  • ISBN-13: 978-4101156330
  • 発売日: 1987/07
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By chitta
形式:文庫
映画を観るのに、ルールなんてない。でも、よりよい映画を観る為の道しるべは必要だ。
それがこの本。何千本と映画を見、自身も映画化に堪え得るような傑作小説を数々ものにした池波さんだから、先生としてはこれ以上のものはない。

第一章:何を観ようかと迷ったときは
第二章:見方によってもっと面白くなる
第三章:なぜ映画を観るのかといえば

たったこの三章。この中に、60年間の経験、知識、薀蓄が惜しみなくちりばめられてます。

『映画を観るということは「いくつもの人生を見る」ということだ。』
『長く映画を観続けている人は、きまってお洒落のセンスがいいものだよ。』
『総合芸術だからね。映画というのは。文学はもとより、絵画。彫刻。建築。さらに音楽が含まれている。』いろんなことをさらりと言ってのける。これは抜粋であるが、これらをすとんと呑み込ませてくれる事例、経験談、お奨め映画の数々、名シーンが随所にちりばめられている。

最後に。筆者がやはり一流の作家、一流の生活人だと思わせる一文。

『本当によくできた映画だったら、映画に励まされるとか、自殺を決意している人が再び生きていく勇気を与えられるとかいうことがあり得るわけだよ。』

>>うーーん、そうかぁ。。映画ってすごいんだなぁ。。

『だけど、何もそんな大変な目的を持って映画を観に行くことはない。娯楽でいいんだ。』

・・すとん、と落とす。大上段に構えておいて。

で、読んでる方もほっとするわけです。

こんなご隠居、近所にいたらいいなぁ。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
時代劇作家の映画論です。
印象に残ったところは:
―何かイメージがわく題名ならば、中身もいい。
―外国映画の大作は、絶対に見るに値する。失敗作でも見るところが多い。それは、莫大な金をつぎ込んだから、必死でつくられたものだから。デービット・リーン、溝口健二がその代表。
―封切りで白黒映画は、見逃さない。それだけの意図があるから。
―巨匠の作品は、必ずしも秀作ではない。
―米国の新人監督は注目。NYなどでいつも昔の名画を見ているので、鍛えられている。
―映画では脚本家に注目。脚本が映画の命だ。日本の映画界は、脚本家を大事にしない。
―日本の映画は、外国ではほとんど売れないが、作り方しだいでは売れる。
―映画評論を読むべき。自分の個性や、好みがわかるから。
―フランス映画は、個人生活に重点を置いている。米国には個人以上に、自分たちの国家というものがある。米国映画には、多彩なジャンルがある。戦争もの、西部劇、個人生活、SFなど。
英国映画は衰退している。インド映画がいい。イタリアも時々いいものを出す。日本のアニメが良くなっている。
―TVドラマは、金をかけていないから、良いものが少ない。
―いい映画は何度も見る。音楽、美術の面など。
―いろいろな種類の映画をみて、自分の偏見をなくしてゆく。人間的な幅を広げる。
―駄作と秀作の違いは、リアリテイのあるなし。日本の今の時代劇は、考証が嘘ばかり。
―映画と小説は、比較して見る。
―映画を見たあとでシナリオを読む。その後にまた映画を見る。
―人間は、自分の人生しか知らない。それでは寂しいから、小説を芝居や映画を見る。多くのさまざまな人生を知りたい、そういう本能的な欲求が人間にはある。別の人生へのあこがれや好奇心、それが演劇、小説、映画を生む。
―映画の良さは、2時間ほどで目と耳で別の人生を知ることができること。
―映画を長く見ると、おしゃれになる。
―1週間に1本はみる。鑑賞力は徐々に発達してくる。生きる勇気をもらう。さまざまな物事に対する理解力が育ち、批判精神ができる、神経のまわりかたが良くなる。

(感想)
非常に読みやすい本です。池波氏の本はこれが初めてですが、氏は時代物の作家で、外国のことはあまり関心がないだろうと思っていました。しかしそうではありませんでした。彼がコメントしている内容はむしろ外国映画の方が多いくらいです。そうした背景をもつ氏が書く小説は、非常に深みのあるものと想像されます。
印象に残った箇所のなかで、一番のものは、映画を見る動機というものは、他人の人生に対する興味だというところでした。つまり、人間は誰も自分の人生だけでは満足していない。もっと他の人生を歩めたかも知れないという気持ちを持っているものだ。それが映画を見たり、文学を読んでみたいという根本動機だというのです。映画をみることによって、人生をより深く味わうことができるというのです。その通りですね。
この本にかんして問題をいえば、この本が20年以上も前に書かれているということです。最近の名画のことが書かれていない。この点は残念なことですが、それは読者たる我々が氏に習って考えれば良いことです。それがこの本を読んだ人たちの宿題と言って良いでしょう。
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By Bibliothekar トップ1000レビュアー
形式:文庫
生来の映画批評家である池波さんの面目躍如たる作品。同時代の映画批評家で同様に鋭利な批評を展開したのは淀川長春さん、ともに映画の申子。本書はその池波さんの映画批評の原点をまとめたいわば映画と人間解釈の理論書。だが案ずるなかれ、彼独特の実に優しい表現で的確に本質を衝いている。映画好きはお洒落だとか、彼の映画に関する明言は多数あるが、ポルノ作品の意義とか、とかく素人には判りにくポイントを的確に説明していて、成る程なぁ〜、と感心することしきり、再読三読に耐える名解説。
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