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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
映画を用いた現代思想入門,
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レビュー対象商品: 映画の構造分析 (単行本)
本書は著者が最初に述べているように、映画を題材として現代思想の解説を試みた本です。よって本書が成功したか否かは、映画評論の出来もさることながら、 (著者流の)ラカンやフロイトの思想の理解に役立ったかどうかによると思いますが、 まずその意味で私は面白く読ませていただきました。 また、映画に無知で大変お恥ずかしいのですが、 単なるエンターテイメント映画と思っていたものが、 見方を変えるとその印象がガラリと変わりうるという例(エイリアンなど)を知って映画の奥深さに感嘆し、 また、映画の解釈はある程度評者の裁量に任されており、それ故に面白いのだろうなとも思いました。 やや想定読者が分かりにくい本ですが、 内田樹の映画評論を読んでみたい方はどうぞ。
75 人中、60人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
胃の腑に落ちない,
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レビュー対象商品: 映画の構造分析 (単行本)
衒学的、つまり惑乱的に読者を現代思想でケムにまくという類いの本ではないとは思いますが、現代思想が先にあって、その枠組みの中に強引に押し込むかのように数々の映画を解釈しているという印象がつきまとう本でした。例をあげるならば、映画「大脱走」を「父殺し」の物語であるとし、あげくの果てに脱走のためのトンネルを女性器の記号だと記していますが、こうした性的解釈は万人の了解が得られるとは思えません。フロイト好きのかたには受けるのでしょうか。 さらにいえば映画のほぼラストでスティーブ・マックイーン演じるヒルツが脱走に失敗して独房入りするというシーンがありますが、ここで彼が壁に向かって孤独にキャッチボールする姿を指して、グローブは「空な腔洞(ママ)があって、なにものかを容れることができるという性質を備えた」女性器の象徴だと言い切っています。これは牽強付会ではないでしょうか。 多国籍の連合国軍捕虜たちの中でもとりわけマックイーンというアメリカ人がドイツ軍の独房で野球の道具を手にしているという場面から私たち観客が感じるのは、(もちろん女性器などではなく)自由を尊ぶ「アメリカ魂」だと思います。欧州にはないスポーツ競技の道具をあえて登場させることの意味はそういうことでしょう。百歩譲って性的に解釈しても、野球はアメリカ的マチズモという男性を象徴している気がします。 ことほど左様に現代思想に無理矢理映画作品を幅寄せしているかのような、危険牌の匂いが残る一冊です。 ただし、「若き勇者たち」や往年の西部劇映画では、描かれるはずのものが描かれていないことによってある種の政治的メッセージや歴史的に歪曲された情報が観客に刷り込まれるという解析は、大変有意義だと感じました。映画は我われに類型化された情報(例えばステレオタイプ的な人種観など)を大量に浴びせる装置となりうることをあらためて感じさせました。
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
ハリウッド映画に潜む構造を鮮やかに分析,
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レビュー対象商品: 映画の構造分析 (単行本)
エイリアン、大脱走、西部劇などハリウッド英語を題材にそこに隠されている構造分析を行っている。このように映画を分析しながら観ることは大変だと思うが、ハリウッド映画には、フロンティア時代からの伝統とされている女性嫌悪が表現されており、そのもっとも顕著な例が一連のマイケルダグラスの映画というのは、非常に卓見である。平穏な男性だけの社会(西部開拓時代のフロンティア)に女性が出現する。その性的に貴重な生活財をめぐって、男性の中に紛争がおき、もっとも欲望が強く、ずるがしこい男性(不良)が女性を凋落するが、女性はその男性に捨てられ、遺棄される。残された男性はもとも平穏なホモセクシュアルな状況に戻る。 この図式に西部劇や一連のロマンスコメディを分析しているのは、おもしろい。このような伝統は女性は貴重な生活財であった西部フロンティア時代からの伝統であり、このような女性上位を排除したいという願いから、女性嫌悪をモチーフにしたハリウッド映画が続くというのも、おもしろい見方だと思う。 それぞれの国は社会の成り立ちから、映画などのエンターティメントに要求される期待されたストーリーに、その成り立ちから必要とされる心地よさが含まれるのであろう。この構造を分析は非常に面白い。他の国の同様のエンターティメント(例えば、インド映画や京劇などを同じ手法で分析すると、国家、社会に成立過程から来る、それぞれ筋書きのミソや仕掛けにそれぞれの出自が現れて面白いかもしれない。
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