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映画の構造分析―ハリウッド映画で学べる現代思想 (文春文庫)
 
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映画の構造分析―ハリウッド映画で学べる現代思想 (文春文庫) [文庫]

内田 樹
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

この本の目的は、(中略)「みんなが見ている映画を分析することを通じて、ラカンやフーコーやバルトの難解なる術語を分かりやすく説明すること」にあります。『エイリアン』と「フェミニズム」、『大脱走』と「父殺し」、「ヒッチコック」と「ラカン」etc.ハリウッド娯楽大作に隠されたメッセージを読み解く、著者の初期代表作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

内田 樹
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。2011年3月、神戸女学院大学大学院文学研究科教授を退職。現在は同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、映画記号論、武道論。2007年『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞を受賞。『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 249ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/4/8)
  • ISBN-10: 4167801256
  • ISBN-13: 978-4167801250
  • 発売日: 2011/4/8
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By t-kit
第三章においた映画から見るアメリカの女性嫌悪の文化についての論考は、初見だとかなりスリリングな論考なのではないかと思います。
ただ、あらかじめ最近の内田先生の著書を読んでいる方だと、ある程度慣れてきてしまっているのではないかと思います。
先生の著作へのエントリーとしては、文庫ということもあり少し言葉足らずなところがあるような感じがするので、いくつかテーマごとに先生の本を読まれている方が手に取ると、楽しく読めるのかなと思います。
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By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
2003年6月に晶文社より出版された本の文庫化。サブタイトルに「ハリウッド映画で学べる現代思想」とあるように、ハリウッド映画を題材に、現代思想の知識を駆使した映画評論。

なるほど、さすが内田樹氏、フロイトからラカン、ロラン・バルトなど、著名な思想家の説を巧みに取り入れながら、リドリー・スコットの『エイリアン』、ヒッチコックの作品など、私たちにもおなじみのハリウッド映画を読解していく。もちろん、この結論には賛否両論あるだろうし、私自身も違和感を覚える展開、結論もあるけれど、こういった試みには知的興奮を覚えた。

特に面白かったのは、第3章の「アメリカン・ミソジニー−女性嫌悪の映画史」。「アメリカの男はアメリカの女が嫌いである。」という一文から始まるこの章は、ハリウッド映画の歴史上、女性嫌悪を顕にした映画が多く存在し、それは、アメリカの文化が根深い女性嫌悪の文化であることを、実例を挙げながら論証していく。

確かに20世紀に撮られた映画にはそういうものが多いけど、反証となるような映画は存在しないのかな、21世紀の映画はどうなんだろう、数は少ないが女性監督の撮った映画も同じように言えるのかなって思ったが、それほど映画に詳しくはない私には、著者に反論することはできなかった。でも、なんか違和感を感じるんだよね、文化は変わるものだし、映画も変わってるはず...これから、気をつけて映画を見てみよう。
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5 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
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「女性嫌悪」がハリウッド映画に底流している宿阿のようなものという洞察には驚きました。さらにこの傾向がアメリカの映画表現に現れるようになったのが、西部開拓が終わったころと機を一にしているという指摘には脱帽してしまいました。西部開拓の担い手となって、ほとんど女性を手に入れることができず、子孫に己のDNAを残すことができなかったトラウマは、「女性嫌悪」の物語を語り続けることでしか、癒すことができないというアメリカ映画事情は、アメリカ合衆国のアイデンティティを強く規定しているのでしょうか。そんなアメリカ映画の有力な市場となっている日本では、どういった消費のされ方をして、日本の近代社会を作り出していったのか興味がつきません。
 一方で、『大脱走』の登場人物たちの役割から、アメリカ型、イギリス型、トンネル型と分類して、「生き延びるための」智慧として、トンネル型にみられる「母性」的な原理(それがそこにあることを否定する身振り)を抽出していて、その現代的な意味を示唆している点も見逃せません。「生き延びるためには語るな。生き延びるために必要なコミュニケーションは言語ぬきでも十分である。むしろ多くを語らないものこそ生き延びるチャンスが多い」という映画のテーマは、箴言のような響きを持って伝わってきました。そういえば、かつての日本人も多くを語らなかったと思うのですが。「男はだまってサッポロビール」というコマーシャルがありましたが。
 女性への嫌悪を通じて男性同士の連帯を称揚し、女性に依存しない「母性/トンネル」的な生き方を高らかに歌い上げるアメリカ映画の分析は、日本映画、ひいては日本の文化を見直す上で、とても刺激的な論考になっているように思います。
拡大解釈にもほどがあるでしょうが、アメリカにとって日本は女性性を体現したような「国家」なんでしょうか。日本の政治家も、マスコミの尻馬にのって、あまりべらべらとしゃべらないほうが、長生きできるのかもしれません。このレビューもまた。
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