2003年6月に晶文社より出版された本の文庫化。サブタイトルに「ハリウッド映画で学べる現代思想」とあるように、ハリウッド映画を題材に、現代思想の知識を駆使した映画評論。
なるほど、さすが内田樹氏、フロイトからラカン、ロラン・バルトなど、著名な思想家の説を巧みに取り入れながら、リドリー・スコットの『エイリアン』、ヒッチコックの作品など、私たちにもおなじみのハリウッド映画を読解していく。もちろん、この結論には賛否両論あるだろうし、私自身も違和感を覚える展開、結論もあるけれど、こういった試みには知的興奮を覚えた。
特に面白かったのは、第3章の「アメリカン・ミソジニー−女性嫌悪の映画史」。「アメリカの男はアメリカの女が嫌いである。」という一文から始まるこの章は、ハリウッド映画の歴史上、女性嫌悪を顕にした映画が多く存在し、それは、アメリカの文化が根深い女性嫌悪の文化であることを、実例を挙げながら論証していく。
確かに20世紀に撮られた映画にはそういうものが多いけど、反証となるような映画は存在しないのかな、21世紀の映画はどうなんだろう、数は少ないが女性監督の撮った映画も同じように言えるのかなって思ったが、それほど映画に詳しくはない私には、著者に反論することはできなかった。でも、なんか違和感を感じるんだよね、文化は変わるものだし、映画も変わってるはず...これから、気をつけて映画を見てみよう。