映画を撮る人間にとってはおそらく「読んでて当たり前の本」ではあるでしょうが、同時に、映画を観る人間にとっても示唆に富む内容をもつ本です。特に万田邦敏の章は、映画『ダーティーハリー』を題材に、映画を「見る」とはどういうことかを教えてくれます。映画好きを自認する方であれば、ぜひ『ダーティーハリー』を見てからこの本を読んでみてください。
その他ポイント
・わかりやすい
決して難解な語り口ではありませんので、蓮實重彦の著作を読むのを断念した方(私のような)でも簡単に読むことができます。
・参照する映画がメジャーである
基本的には『ジョーズ』『ダーティーハリー』『ゴジラ』等、参照される映画はメジャーなものが多く、読む人を選ばない内容になっています(もちろんそれらの分析は徹底してますが)。
・講師はすべてプロ
講師たちは単なる批評家ではなく、全員現場で活躍するプロです。理想論ではなく、プロの立場からの切実な言葉を読むことができるでしょう。
彼らの作品の読解にも役立つかもしれません(彼らの作品自体も教材として登場します)。
よほどの才能がない限りは、この本を読まずに映画監督になった人間の撮る映画は観たくないというのが正直なところです。