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映画に見る東アジアの近代
 
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映画に見る東アジアの近代 [単行本]

田中 秀雄

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出版社/著者からの内容紹介

 この本が出て2年近くになる。当時、『七人の侍』と満洲国の建国とを結び付けるなどとは唐突だとか、牽強付会だとかいわれたものだ。しかし刊行後、郭沫若の『北伐』(1938)という小説を読み、そのあまりの類似性に息を呑んだ覚えがある。『七人の侍』で、捉えた野武士を村人が殺そうとする有名なシーンがあるが、それとそっくり同じ場面が『北伐』にある。こちらの場合、野武士=匪賊を助けようとするのは郭沫若である。  木下恵介の戦中と戦後の戦争観の変化も、当時の世相を見事に反映している。その中での木下の苦悩も私には共感を持てるものであった。小津の映画での父親像の変化もまたそうした戦争を隔てたあげくの断絶感が興味深い。

 日本は世界で一番各国の映画が見られる国だろう。韓国、台湾、中国、東南アジア、色々の国の映画を見て、日本映画との共通性、民族的違いを映画で確認できる作業は、私には楽しかった。もちろんそこには、各々の政治的志向性も反映する。映画はプロパガンダ性を如実に反映するメディアでもある。南京虐殺、慰安婦問題、そういう政治性を濃厚に反映した映画を批評するのもスリリングな思いがした。

 私の政治指向性を批判する読者カードも来ている。それも有り難く拝見した。自由な社会環境あってこそ、表現は多様になるし、歓迎すべきものだ。韓国映画の今の盛況は十年以前から私は想像していたことだ。台湾民主主義の到来を告げる『悲情城市』という映画を昭和の末期に見れたことも感慨深い。新著『暗黒大陸』は知人の手を通して、李登輝前総統にも送られている。  今度のオリンピックは北京で行われるが、中国国歌「義勇軍行進曲」が実は日本を敵視した歌だとどの程度の日本人が知っているだろうか? そのこともこの本で由来を書いている。新著ではないが、読んでもらいたいと思う。  一口にいえば、この本は映画を歴史資料に東アジア近代史を読み解いたものである。

内容(「BOOK」データベースより)

黒沢明、木下恵介、小津安二郎、野村芳太郎、山田洋次など、戦前・戦後の日本映画90本、中国・台湾・韓国の映画・ドキュメンタリー80本。…東アジアの近代史像が見えてくる!「近くて遠い」日本とアジアの関係を、映画を通して論じた評論。

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