まず私は、TVの「海賊戦隊ゴーカイジャー」を観ていません。宇宙刑事、そして渡辺宙明氏のファンであるのでこの劇場作品を鑑賞し、続いてこのCDを購入しました。
ですので、「ゴーカイジャー」のファンの方には申し訳ないのですが、ここでは渡辺氏の携わったBGMトラックに絞った変則的なレビューをします。
嬉しかったのは、渡辺氏のパートが既成曲の流用ではなく、新録であった事。映画公開直前にオンエアされたスペシャル番組では、「ギャバン」のオリジナルBGMを使用していたので、劇場公開本編も同じだと思っていました。そしていざ劇場で観賞して──良い意味で裏切られました。
CD全体では、44トラックで70分強。そのうちの6曲に渡辺氏は係わっています。
できるだけ本編のネタバラシをしないよう解説したいと思います。だけどオリジナル「ギャバン」と渡辺氏のファンの方は、是非劇場で感動して下さい。
Tr.3のメインタイトルが、この作品での最初の渡辺氏の曲です。劇場でこの曲が流れた時、興奮で身体が、魂が震えました。ただのBGMでこれだけ感動するのは、ゴジラの平成VSシリーズで伊福部昭氏の音楽が流れた時と、「宇宙戦艦ヤマト復活篇」の冒頭、宮川泰氏の「無限に広がる大宇宙」の流れたシーンに匹敵します。改めて、劇伴の持つパワーを実感しました。
Tr.4は3つのメロディで構成されています。そのうち、真ん中のパートがまさかの嬉しい新曲です。渡辺氏のファンであれば、すぐに宙明サウンドだと判る王道のアクションメロディ。前半も、本来はギャバンの為のBGMではありませんが(主にダブルモンスターのイメージの曲です)、ドラマ的にはこの選曲が的確です。
しばらく空いて、Tr.35(前半)でいよいよ蒸着! アレンジはゴーカイジャー担当の山下康介氏です。山下氏は、「宇宙戦艦ヤマト復活篇」でも音楽を担当していたのですね。渡辺氏や宮川泰氏の名曲をアレンジって、プレッシャー、大変だったのではないでしょうか。そしてこの重要なシーンの選曲は、本当にファンなら100%満足できるものです!
Tr.36のギャバン主題歌は、オリジナル版で新録ではありません。劇中ではラストバトルの開幕に流れるので、初めて聴く子供たちにも印象的だったのではないでしょうか。
ギャバンアクションのクライマックス、Tr.39「正義一閃!レーザーブレード」はもうタイトルでどの曲か、ファンなら容易に想像が付くと思います。あの曲ですよ、あの曲! 劇中では確か1コーラスで終わったと記憶していますが(興奮し過ぎて、もう覚えていません。ギャバンダイナミック直前のギャバンの台詞が、最高!)、CDでは2コーラス収録されています。
Tr.42(前半)も、アレンジは山下氏で、電子星獣ドルのテーマ。オリジナル「ギャバン」で多用されていた挿入歌「輝く王者ドルギラン」は残念ながら採用されませんでしたが、いつもと違った味付けの「斗う電子星獣ドル」アレンジバージョンも、なかなか燃えるものがあります。
CDとしては、解説が全くないのが凄く不満です。渡辺氏のインタビュー等があれば良かったのに、と思えます。おまけのミニポスターのサイズは、33cm×33cm。
また、ゴーカイジャーのパートでは、新録BGMがTr.2・8・9・16・24・30となっているので、それ以外の曲は、ひょっとしたらゴーカイジャーの既発売アルバムと重複しているかも知れません。それだと3150円のフルプライスは、それらのアルバムを持っている方には割高に感じられる可能性があります。
私にとっては渡辺氏の音楽だけが目当てで購入したCDですが、それでも充分満足しています。劇場公開本編を未見の方は、まず観てからのCD観賞をオススメします。
それにしても、“ゴーカイ”ジャー&ギャバン“ダイナミック”──。楽しいなぁ。