この作品を見ていて,だれかがどこかで,人間は天使と悪魔(鬼畜)との中間者だと言っていたのを思い出した。宙ぶらりんで,どっちつかずの中間者。でも,考えようによっては,人間は天使のようにも悪魔のようにもなれる可能性をもっている。
出演した少女たちはある場面では,じっさいに畜生のように醜い表情をみせつけ,また別の場面では天使のように微笑んでいた。
彼女たちの学園生活は,みているだけで疲労困憊しそうで,不登校者が増加するのがわかる気がする。自分だったら,あんな神経のぴりぴりするような環境に入っていきたくはない。みえないくらい細くて,ちょっと触れると心身を切り刻むような,無数の糸がはりめぐらされているかのようだ。
自分のことばかり,たとえば自分の会社の利益,自分の出世,自分の世間体の保持,自分の家族の無事など,のみを計算して,思いやりや愛他精神の欠落した大人のもとで育つと,子供たちの心においても愛が育まれる機会が奪われやすいのだろう。
でも本作品に登場する生徒たちは,エゴを大人のせいになどしないし,愛にたいして閉じているわけでもない。不思議なことに,心が開かれるのは,自分がひとりになることを受け入れる覚悟をきめて,群れをいったん離れるときなのである。
こわいようでもあり,「いまどきの若い人」もなかなか捨てたものではないとも思わせてくれた少女たちから,複雑な感動を与えられた。