北京オリンピックで生き恥を晒してしまったかのような星野仙一監督の著書。
かつては「上司にしたい男ナンバー1」に輝いたこともあるカリスマ性。
それが崩壊したのは昨年夏。
野球が次のオリンピックの公式競技から外れるため、金メダルを取れるラスト・チャンスだった。
「金以外は必要ない」の豪語。確かにその言葉通りであった。
結果は4位でメダルなし。確かに「金以外は必要なし」であった。
だから、この著書はそのオリンピック前に書かれているため、
これから読む者には、書かれている内容と北京での結果及び、
戦後の星野さんの態度とにギャップがあり、
「全ての言葉が虚しく感じられてしまう」のが難点。
たかが一度の失敗でこれまでの星野さんの栄光の数々を全て無にしてしまうのか?
というような疑問も胸に浮かぶし、
今まで散々「名将」だ「闘将」だ「阪神の救世主だ」と持ち上げておいて、
1回の負けで掌を返すような態度を取る世間の有り様にも納得はしていない。
が、
「ストライクゾーンが日本と違う」
「午前中の試合だったから慣れていなかった」
と、条件は「各国共に同じ」であるのに、自分が世界基準であるかのような発言。
「批判は全て受け止める」
と言いながら帰国後の会見で
「日本はすぐたたきにかかる。そんなことをしたら若い人が夢を語れなくなる。
たたくのは時間が止まった人間だろう」
と、居直り発言。
「言行不一致」ですよ。
この著書で星野さんは60歳過ぎてもなお血気盛んで在りたいと言っておられました。
ですが、それでは星野さんは一体、いつ「身を引く」のでしょうか?
王さん・長嶋さんでさえも球界のさらなる発展のためには、
いつまでも自分たちが前面に出ているようではダメだと後進に道を譲ろうとされているのに。
「老害」であり「老醜」という存在になられてしまってはご自身の名誉にも傷が付くでしょうに。
残念ながら、この著書ではそういった視点での考えは一切示されておりません。