初心者向け「風」の星の本はたくさんありますが、そのほとんどは大きな望遠鏡で撮影されたきれいな写真をたくさん見せてくれるだけですね。真っ赤な星雲の広がりを期待して小さな望遠鏡や双眼鏡で苦労して探してみても、実際に見えたのは青白いもやもやだけでがっかり、ということは誰でも一度は期待することだと思います。
この本のよいところは、天体が「どのように見える」のか、詳しく解説してくれているところです。肉眼で見る場合は、「都会」ではこのくらい、「田舎」ではこのくらいまで肉眼で見えますよ、とか、この星雲・星団は双眼鏡や小さな望遠鏡はこの程度は見えます(この程度しか見えません)と写真付で紹介しています。大きな望遠鏡がなければみることが難しそうな星雲・星団はかんたんな紹介にとどめており、読者に過大な期待を抱かせない構成になっています。
星座の位置をなんとか探せるようになった、さぁ、次はその星座付近の星雲や星団を探し出してみよう、という時に、この本が一番役に立っています。この本に出ている天体なら双眼鏡でも見えるだろうし、出ていなければきっと見えないだろう、と小さな双眼鏡でお気楽な星空散歩を楽しんでいる再入門組の感想でした。