作品のクオリティは高いです。星新一の世界観をどう映像化するかで個々の作家が腕を振るっております。個人的には「不満」、「うるさい相手(未収録??おい、おい)がおきにいり。買って損は無いでしょう。ただ、全部収録しても75話で収録数の53話と比べても大差はない。あとディスクが2枚程度増えるだけです。なぜ厳選したのか?理解に苦しみます。
星新一の作品はコントたぐいにされて、人気とうらはらに評論家達に評価は決して高くは無かったようです。あれだけの作品を残し、人気を得ながら生涯で受賞した賞といえば「日本推理小説協会賞」ぐらい。「日本推理小説協会賞」の歴代の受賞作には、キラ星のような作品はあれどあくまでジャンル賞であります。「直木賞」を与えても問題はないとおもうのですが、どうも選考委員の考える「人間を描く」というのが固定観念に縛られているようで受賞にいたらなったよう・・・・残念というか見る目がないというか?選考委員が考える「人間を描く」ということ星が「人間を描く」とは方向が逆なのです。
そう感じたのも、今回、星作品の味はあの独特の文章にあると映像化されたものを見て再認識したからです。ストーリーとオチだけでは星作品の味は出ない。文章の力が星作品の魅力の半分以上を占めていると感じたのです。風俗、時事ネタ、ベットシーンを避け、人物も記号化した星作品は人間が描けていないという感じは受けがちです。しかし、そうではないと私は思う。直木賞の選考委員が考える「人間を描く」とは、確立した個人を描きそこから、世界をどう感じるかではないか?星は逆なのだ。世界観があり、そこに登場する人物がどう感じ、行動するかで普遍的な人間性を浮かびからせていくといった感じでしょうか?内から外でなく、外側から内部へという方向で人間を描き普遍的ななものに帰する・・・人間関係が気迫な都会が日本中に広がった現代においてむしろ星の方が現代的なのです。この星の小説作成法に貢献していうのが星の書く「文章」の魅力にあることは、星作品を一度でも読んだ方ならお分かりではありませんか?文章の魅力がいかにオチに貢献し、それによって人間性の悲喜劇を浮かびからせている。
正直いって過去の「世にも奇妙な物語」で映像化されたものも、今回のNHKのものにしても原作を超えたとは、おせいじにもいえない。星作品の文章の魅力を映像化するのは困難だからでしょうか?その分今回の映像化では凝った演出を見どころにしていると感じます。そう訳というのではないのですが、ぜひこの作品で『星新一』を知ったひとは、原作を一読(二読??)することをお勧めします。