ナベサダを目当てで本盤を買ったけど、彼の参加は一部(4曲)のみ。その他はグレート・ジャズ・トリオの演奏となっている。彼らのセッションとしては、比較的新しい2006年9月4日東京の乃木坂スタジオ録音となっている。当日のメンバーはピアノにお馴染みのハンク・ジョンズ、ベースのジョン・パティトゥッチ、ドラムスのオマー・ハキム、臨時参加のアルトサックスの渡辺貞夫となっている。
リリカルなピアノトリオに美しいナベサダのアルトが絡む。バラード曲の"Stella By Starlight","Old Folks","Deep In A Dream"(あのソニクラがオリジナルなヤツです)の3曲(残りは1曲は"I'm Old Fashioned")が素晴らしい。身も心もナベサダに持って行かれる”ディープ”は特に聞き物だ。ここでの思い入れたっぷりの泣き節には参った。
若手の元気の良いドラマー・オマー・ハキムが"Song For My Father"(ここでのピアノって本当にハンクが弾いているの?)で歌を聴かせている。彼の今風の歌も悪くはないが、ブラコンはどうしてもジャズには似合わない。本職のドラムスもイマイチ合っていない曲がある。バラードはマズマズだが、早めの曲ではまだ下手。シンバルレガートはイイが、スネア、タムの叩き方が浮ついていて気にくわない。もっとバックビートを効かせた、ルーズでガッツ溢れるプレイをして欲しかった。ピアノのハンクは相変わらずもの凄く元気だ。柔らかでエレガントなタッチがリラクゼーション効果をもたらしてくれる。高齢とは全く感じられないエネルギッシュなプレイぶりに驚かされた。
紙ジャケ、スーパー・オーディオCD、ハイブリッドディスク、DSDリマスタリングの最高級仕様となっている。全10曲の聴き応え充分の演奏、ジャズ初心者から上級者までが楽しめる一級品のエンターテイメントだと思う。