簡単にいうと星にまつわるエッセイです。星のエッセイというと藤井旭さんなどが思い浮かびますが,この本の著者はずいぶん昔の人ですので,今読んでどの程度共感するか,ちょっと不安です。最初に出版された時はしゃれた装丁で,いかにも愛蔵版といった風情の本でした。これが絶版なので文庫に分割して出版したのですが,本として持っていた星の見えない夜に,ちょっと本棚から取り出して,という感覚がずいぶんと失せてしまったように思います。たとえ星が見えなくても,星とつながっていたい,というとても繊細な心の持ち主のために作られた本だったと思います。表紙,紙質,余白,そういったものが心に触れる時代は終わったのでしょうか?天文学ではなく,星のお話。今では時代遅れなのかもしれません。文庫を読んで心を動かされたら,古書で旧版を探してください。コメットハンターのように。