J・P・ホーガンの同名原作を読んでいるが、連載も楽しみながら読んでいる。著者にとっては、本格的なSF作品は久しぶりである。
月面で宇宙服をまとった死体が発見される。調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たしてこの死体は、人類なのか異星人なのか。国連宇宙軍が調査に乗り出すが…
全体的に見ると、原作の大枠は生かされている。しかし、改変された部分がないわけではない。
例えば、主人公のヴィクター・ハントが国連宇宙軍から依頼されて、死体の素性を調べる任務にあたっているのはほぼ原作通りだが、一方で国連宇宙軍と対立する国際平和委員会が存在していて、何かと調査にかかわってくる。さらに、彼らの関与が疑われるトラブルも発生する。また、調査を取り仕切るコールドウェル国連宇宙航空通信局本部長やその秘書リンなど、女性の活躍も目立つ。
ただ、原作通りに生物学者のダンチェッカーや言語学者のマドスンは登場する。
上にも書いたように地球内で対立組織を登場させ、調査の先行きに障害が予見されることなどは、著者らしい設定である。ただ、原作の結末を大きく改変するとは思えない。その画力が壮大なクライマックスをどのように描くのかは楽しみでならない。