(ネタばれ注意!)
朝井 リョウは、『桐島、部活やめるってよ』『チア男子!』に続く3冊目のレビュー。
だが、のっけからつまずく。
“まっしろな牛乳は糸を引くように体の中を巡る。寝返りをうつたびにばらばらに
なってしまった体内のパーツを正しい位置に戻しながら、指先にまで冷たい白はしみわたっていく。”
誰の視点?どんな比喩なの?何が言いたい?
『チア男子!』でもレビューしたが【どうにも私的にはしっくりとこないいかにも作った様な表現】でいきなり始まる。
<瑞々しい感性にあふれた新しい表現>とでも言えばいいのだろうか?
どうも違う気がする。
また、“光彦はあつあつののりトーストの四隅を中指と親指の先でつかんだ”
うん?もしかして両手を使っている?
いちいちどうでもいいところで引っかかってしまうこの手の表現の為にすいすいと前には進まない。
ストーリーやテーマも第1章:長男光彦の就活失敗組のモラトリアムな悩み辺りは、ありきたりと言えば
ありきたりなもののまだ共感できる。
しかしながら、第2章:三男真歩になると小学校6年生がこんなにませてるか?逆にこんなに幼いか?
というところでリアリティを欠け始め、最終章のいかにも作りましたっという感じの名前しりとりや
店を続けるんだか続けないんだかすっきりしないラストに至っては感動しろって言われても無理!って感じです。
『チヤ男子!』のレビューと同じ結論になってしまうが、“あの『桐島、部活やめるってよ』”は彼の本音にあふれていた分
今の高校生の姿をある意味キレイに切り取っていたと思う。(但し、そのテーマに全く共感できなかっただけで…。)
所詮イミテーションの“温かい家族物語”は決して輝いていない。
もう一冊だけ、高校卒業式の7人を描いたという“少女は卒業しない”を読んでみますが、果たして…。