「これが一番好きな本」と最初に貸してくれたのは大学時代の同級生であった。
なぜ、この本が好きなのか。通読できなかった。
「いまさら童話でもない」
ぼくの身体はヨロイをかぶっていたのだ。
しかし、気になっていた。
出会った。
池澤夏樹の新訳『星の王子さま』、文庫版で可愛かった。
病院のベッドで読んだ。
手術前に通読できた。
身にしみとおるおはなしだった。ぼくは納得したのだ。
そして、夜空をみて、星の王子さまの星をさがしている。
「こんなことはあってもいいのだ」
ぼくの身体のヨロイはきれいさっぱり消えていた。
ぼくの加齢のためか。
手術前の極限状況のためか。
あるいは、池澤夏樹氏の新訳がすばらしかったためか。
ぼくは、とても、本来の自分によみがえったようなきがする。
それにしても、サンテグジュベリはすばらしい。
60歳をこえてようやく読み終えることができた。
この作品を知ってから40年以上経過していた。
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現在『Le Petit Prince』は、新訳ラッシュらしいが、ぼくにとっては、出会いは「内藤訳」、通読できたのは「池澤訳」であった。
「ちいさな王子さま」の本はやはり可愛い文庫本でないといけない。
大きな本であれば、通読できたかどうか疑問。
ぼくには、この本が日本語訳の基準になる。