■概略
ある日砂漠で飛行機が故障し、ひとりで修理をしていたぼくの前に、星の王子さまが現れる。
「お願い・・・。ヒツジの絵を描いて。」
話をするうちに、ぼくは王子さまの抱える悲しい過去を知る。
これは遠い星からきた王子さまが教えてくれた、たくさんのおとなが忘れてしまっている、大切なお話。
■感想
童話のような語り口で書かれてるけど、結構シビアなメッセージが感じ取れます。
それまでいた小さな自分の世界を飛び立ち大人の世界を旅するが、
目的を見失った大人やわけのわからない機械を見て疲れきってしまった王子さま。
確かに、自分が子供のころは「大人ってわけわかんないや」ってよく思ってました。
「大人って『そういうもんだよ』とか『事情がどうたら』とか言い訳する、カッコ悪い人間だ」と。
そして、大人になってしまった今、残念ながらそういう感覚はもう取り戻せません。
それでもこの本を読んでいると、子供のころの感覚がよみがえったような気がします。
■一般的見解
日本語訳では、フランス語の原文独特の雰囲気が失われてしまっている、というものがありました。
「ライ麦畑で捕まえて」を原文と日本語訳とで読み比べた時にも思ったことですが、どんな言葉も訳によって別の言葉に置き換えてしまうと、その作者独特の語り口からくる雰囲気が失われてしまうというのはよくある話です。
それと、多くの人が言っているのは「子供のころと今とでは、見える世界が変わってしまった」というようなものでした。
子供のころは道端のガラスや砂浜の貝殻、原っぱのトンボといった些細なところに宝物を見つけることができた。
それが、今の自分はどうだろうか・・
自分が大人になってしまったということに気づかされると、やはり少し切なくなります。
■総括
この本は子供向けの童話として解釈しても面白いし、
大人向けの社会批判として受け取っても面白い見方ができる、いい物語だと思います。