今まで「星の王子さま」といったら岩波書店のものしか知らなかった・・と思い調べたところ、2005年に著作権がきれたということらしい。
自分にとっては、かつて何度も挫折した本だったので、新訳は本当にうれしい。書店でその場にあった数冊を読み比べてこの本に決めた。製本が美しかったのと、池澤夏樹の訳によること、そしてその内容が子ども向けではなかったことからだ。この訳と訳者のあとがきを読み、この童話が大人たちに向けて書かれたものであったことを理解した。
バラと王子さまの別れのくだりは一篇の映画のようで、何度読んでも胸にぐっとくる。
そしてキツネの「飼い慣らす」という行為。この意味深な方法は確かに、ただの「仲良しになる方法」ではないな、と思う。
男女の愛とすれ違いが、いかにもフランス在住の訳者らしいあか抜けた表現で語られている。
しかしながら、このあたりは訳者の解釈が分かれるところだと思うので、いずれは他の訳とも読み比べをしたいと思う。(本当はフランス語が読めたらと思うのだが・・)
ともあれ、池澤訳のおかげでようやく「星の王子様」読み通すことができて胸のつかえが取れました。