本書は、ストーリーの展開を楽しむ意味においては子ども向けだが、むしろ大人向けのメッセージに満ちていて、本来人間には「心の目」が備わっているということを呼び起こされる。その、真実を見ることのできる「心の目」をもって、大切にしていかなければならないモノを感じ取り、それを生かしていくことで人は豊かになれるはずなのだが、さまざまなことに心を奪われ見えなくなっていき、やがて見ようともしなくなる(王子が訪れた星に住む大人たちは点灯夫以外その象徴のようでもある)。
キツネの言葉「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」は著者からの、大人、そしてこれから大人になる子どもたちへの警鐘なのかもしれない。(加久田秀子)
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54 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大切なものは目にみえない,
By パリの三四郎 (パリ) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 星の王子さま―オリジナル版 (ハードカバー)
「金で何でも買える、解決がつく」そんな時代だからこそ、病んだ現代人に 「星の王子さま」は、人間の原点へ引き戻してくれます。 挫折を味わっている人にこの本を渡しました。 その人は、みんながうらやむところから、ある事故で 自分の夢をいっぺんに失ってしまい、途方に暮れていました。 毎日泣いていました。 この本を渡してから、笑顔が戻りました。 大切なものは目に見えない。 目に見えないからこそ、自分で感じなければならない。 まさにそれは「人の心」なのです。 この本は読み方でいろいろな目に見えないものを 感じとることができると思います。
40 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
様々な面からの哲学の本,
By
レビュー対象商品: 星の王子さま―オリジナル版 (ハードカバー)
4回読み直した。サン=テグジュぺリの本は、どれも難しい。その中でも「星の王子さま」は、私が長くそれを考え続けている本だ。私は、小学5年生の時はじめて読んだ。その時、意味が分からないところはとばした。 2回目は中学一年生のとき、本文始めの4ページだけ繰り返し考えていた。どうして冒頭は「レオン・ウェルトに」で始まるのか。ウワバミの話も謎だった。 次の読書は、本文を場面ごとに切り取りながらだった。バオバブの手入れ、王子さまの薔薇、別の星を旅して其処此処で出逢った人たち、地球に着いたばかりの王子さまと友達になるキツネ・・・。 読めば毎回、神妙な気持ちになってしまう。素直に読もうとする必要がない。そして、自分が変化しているという発見を見つけてしまう。 何処かで躓いて、自分の生き方に悩む。誰にでもあるコト、それは大切なコト。自分の悪い部分を見つめるのは、苦しい。誰だって見たくないし、背けたままでも上手くやって行けるならそうするという人は多い。 4回目は最近。ストーリーが終わりに近づいてゆくところを中心に読んだ。王子さまが砂漠から消えてゆく中で、言う言葉。 「ぼくの花,そのうち消えてなくなるの?」 「うん,そうだとも」 この本は、生きてゆくなかで変わってゆかない哲学が記されている。だから、約60年経っても世界中で親しみ読まれているし、オリジナル版として挿絵を考慮して2000年に出された。とてもすごい本だと言える。これからも、イロイロな人の手に渡ってゆく。誰かの心の中で、大切にされてゆく。私だってこの本と、自分の死が近づく頃まで向き合い続ける。本からのメッセージに完全なものなんてないけれど、そうだから私たちは自分で考えていかなくてはいけない。 この本を、子供向けの児童書だと思っていた私が恥ずかしい。もちろん、子供に読み聞かせるのも素敵なことだ。けれど、この本は哲学としての方が相応しい。ホントウの大人になる上で、避けてしまわないほうがいい。イロイロな損をするから。
24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大人にとっては悲しく辛い本,
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レビュー対象商品: 星の王子さま―オリジナル版 (ハードカバー)
泣きました。感動したから?オリジナル版に接したから?それとも・・・いいえ、違います。もう、すっかり大人になってしまった自分に向かいあってしまったからです。 「大切なものは目に見えない」と知りつつも、年齢や地位などで、人を見ている私。他人に目に見えるもので、自分を守ろうとしている私。そんなつまらない私。子どもの頃、この本を読んだはずなのに、いつの間にこんな自分になってしまったのだろう。こどもの頃の本当に大切だったものをどこに置いてきてしまったのだろう。こんな大人の自分が嫌だ。涙がとまりませんでした。 大人のための童話。それは、大人になって、自分をつまらない物で飾り立てている私にとっては、悲しく辛い本でした。
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