冒頭からヒューとウラジーミルの旅が現実の始まる。南へ…わたしはプロットの肉付けを明かすようなゲスなまねはしないが、大枠で言えば第3巻は帰結である。しかし1巻の老子の『胡蝶夢』のごとくフィロソフィーは円環的で、キリスト教的と言うよりは仏教的に展開する。初めではないがスパイラルに…。わたしはこの後、『草迷宮・草空間』を描かれたあと作者が断筆状態であられることに共感する。本当のことを言うと内田善美さんとはこの世の人では無いのではないか?と怖れた時期もあった。同時にわたしもParisやN.Y.で過ごした日々があったが、わたしがヒュー的な存在なのか、なぜウラジーミルみたいに旅を続けている者なのかこの作品を思い起こすほどに辛いこともあった。最近は少し距離を置いて再度触れることが出来るような心持ちになったのだが、ここまで美しいパラダイムを描き出した作者の偉業に改めて敬意をはらいたい。これを読まれた方、ページから入手できるチャンスが在れば、是が非にも手に入れませ。