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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
巡り逢う星たち,
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レビュー対象商品: 星のひと (単行本)
槙野草太(中3)と、草太に関わる4人の人物を主人公とする連作短篇集。隕石が落ちる。槙野家の屋根も床も貫いて、人命には関与することなく……。 この衝撃的な出来事を契機にして、草太のまわりの人間関係がうねり始める。 どの人も、心の中に現実世界への不安や焦燥、孤独を抱えている。 槙野家では、大人の都合が優先され、草太は今好ましくない状況にある。 それでも、明るく健気に毎日をこなすようすはいじらしく、まだ中学生らしい 幼さも垣間見える。 草太の同級生はるき。中学生の女の子独特の自意識がリアルだ。 自分はなにか特別な存在でありたいのに、教室のなかでの人間関係に いらだつ。この章が冒頭に置かれ、プロローグ的な役割をはたす。 草太の父、草一郎の煩悶。ままにならない現実にまさに圧し潰されようと している。その草一郎を救うべく現れたのが、かつての隣家の子、ビビアン (今は大人)。ビビアンにとって、草一郎は初恋の人。 このビビアンの心が実に切ない。しかし、生きるパワーはまっすぐで強い。 物語の後半で、ビビアンの人間関係の絆がものすごい働きをみせるのが 爽快だ。 最後の話、高宮明浩(草太の同級生で、不良と見なされている)の章で、 各話がみごとに繋がる。 隕石が落ちたことによって、人の気持ちが動き始めた。 それぞれの心の問題は、すぐには解決するはずもないが、気持ちを ぶつけ、触れあわせ、お互いを認め合うという過程で見えてくるものがある。 星の持つ軌道は変わらなくても、あそこに、ここに存在する星を、 草太たちは確かに知ったのだ。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ほんのりとあたたかくて、自分が広くなって いろんなものを受け入れられそうな気がしてくる物語,
レビュー対象商品: 星のひと (単行本)
いい話です。ほんのりとあたたかくて、自分が広くなって いろんなものを受け入れられそうな気がしてくる物語。 人にはそれぞれ在り様というのがあって、 同時にいろいろな都合というものを背負っていたりするものです。 そして誰かの在り様は誰かにとっては受け入れ難かったり、 誰かの都合は誰かの不都合だったり… そんな互いの違いに心を乱したり、乱されたり… 自分自身の日常の一こま一こまをザックリ切り取ってみれば、 多分この物語に登場する人々が日々感じていることは、 決して特別なことなどではなくて、 むしろとても身近な感覚と思えるはず。 だからひとりひとりの想いになにかしら共感を覚えます。 家族、近隣、学校、職場… 時には怒ったり、泣いたり、喜んだり、悲しんだり… 誰もが毎日そんな心の風景を持っているのに、 互いを知り尽くすことなど出来るはずもなく、 それはどんなに近くても一定の距離として確かに人を隔てていて、 それぞれの軌道からは互いの一面しか見えないままに、 ひたすら宇宙を航行する星のようです。 軌道を外れた隕石がひとつ…槙野家の家に落ちた。 その文字通り降って沸いた出来事から、 それぞれが少しずつ目を上げ、軌道から一歩踏み出し、 見えなかったものが見えてくる。 その過程がすごく心地よく、そして爽快に描かれています。 どんなにすれっからした世の中でも疲れきった毎日でも、 人はやっぱり、互い同士が救いなんですね。 お互いがちゃんと見えることって、ある意味奇跡なんですよね。
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