大好きな作家さんですが、今回はその時代を生きる主人公が複数おり、入ったと思ったら、すぐに違う人の話になったり、ごちゃごちゃした印象。
『きみの友だち』は、同じ学校という空間での人物だったから、視点変更が生きていたが、
年齢や境遇が違う接点のない人々の話をそれぞれ読んでも、全体として共感しにくい。
確かにオウムや、ノストラダムスや2000問題は、人々に未来への不安と虚無感をを与えたし、
今から振り返ると、十分興味深い。
だからこそ、そこに注目したのであれば、
ニュースを書くだけではなく、実際の生の声を取材してその時代を再現して見せて欲しかった。
登場人物がそれほど悩み苦しんでいるようには思えず、平淡な文章で飽きる。
万博の時代を描いた
『トワイライト』の方が、オススメだ。
テーマは大きい、
中身が小さいで、
頭でっかちな作品の印象は残念です。
せっかくの文庫書き下ろしがイマイチの作品。
いつもの重松さん技量を存分に発揮して欲しかったです。