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「シンギュラーポイント」など、現在では皆知っている言葉ですが、昭和52年当時にこの言葉を使用していた程の洋書に対する広い知識、また和漢の古書に通じる著者の碩学が、いかんなく発揮された本です。
安岡正篤の本は、これ以外にも「経世さ言」「易学入門」「百朝集」など、許しと、気合を与えてくれるものが数々ありますが、この本を読めば、それらを読みたくなります。
易についての説明も、入門的にもちろんありますが、その前提としての理解の為の説明が大半を占めるところ、ただ売る為だけの占い本とは訳が違います。「運命とはめぐるもの、自助努力による」すなわち、現在の自分の状態(なかなか、自分では気づきにくいものですが)を易により知り(もしくはヒントを得)、それにより自ずから自分を改善し、未然に災いを防ぐ、というしごく当たり前の理屈がとかれています。それがゆえに、この本の価値があるのです。易は、あたらなくてもよいのです。自分を振り返る為のツールであるのです。
安岡師が繰り返し説いていらっしゃるのは、通俗易に堕することの有害性と危険性、本来の易を身につけた人間ならば占う必要はない、運命をすぐに宿命ととらえてはいけない、むしろ立命ととらえるべきである等々、真の易経理解の為の入門であり、又、易経に書かれている深い人間洞察、人生哲学への読者の誘いです。
それでもそこはさすが安岡師、単なる入門本ではなく、六十四卦の一つ一つの説明も分かりやすく記載されていますので、この本を読むだけでも今後生きる為の大きな励ましを得られること請け合いです。
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