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明解量子重力理論入門 (KS物理専門書)
 
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明解量子重力理論入門 (KS物理専門書) [単行本(ソフトカバー)]

吉田 伸夫
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

物質の究極と宇宙の謎に、最先端物理が迫る相対論と量子論を統一することはできるのか?最先端理論が説く宇宙の過去と未来とは?近年発展の著しい量子重力理論の最先端を、基礎から明解に説き明かす入門書

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ重力の量子化が困難なのか?量子重力理論は、何を解決しようとしているのか?ループ量子重力理論とは、超ひも理論とは、どのような理論なのか?学部学生程度の物理学から出発し、量子重力理論という最先端へ読者をいざなう、専門書を読む前の、はじめの一歩に最適な入門書。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 216ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/7/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061532758
  • ISBN-13: 978-4061532755
  • 発売日: 2011/7/26
  • 商品の寸法: 21 x 14.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 139,785位 (本のベストセラーを見る)
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36 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 この本は、学部レベルの予備知識(特殊相対性理論と量子力学)をもった読者を対象に書かれている。そのため、学部レベルの数式は使われ(1ページあたり5個前後)、タイトルから受ける印象との違いに驚くかもしれない。この本は、一般向けの解説書と、大学院生向けの専門書との間を埋めることを念頭に書かれている。構成は2部構成で、それぞれ4章よりなる。第1部では、まず経路積分の量子力学について解説し、次に場の量子化とくりこみについて解説する。次に一般相対論を解説し、最後に重力のくりこみ不可能性について解説する。第2部では、ループ量子重力理論と超ひも理論が解説される。
 著者には解説の才能があるようで、びっくりするほど本質的で分かりやすい解説をする(私は、量子重力理論の分野にこれほどの解説書が現れることは期待していなかった)。例えば、第3章の一般相対論の解説にしても、わずか24ページで特殊相対論, 等価原理, ガウスの曲面論, 共変微分, 曲率テンソル, アインシュタイン方程式, 重力波と重力子について解説していて、しかもガウスの曲面論の説明があるため普通の相対論の本より分かりやすく、見事だと思った。くりこみ(群)の解説もすばらしい。私はこの本ではじめて、くりこみの心を知った(場の理論の教科書に、この説明はあっただろうか?)。この本では、重力のくりこみ不可能性についてきちんと解説されているが、この解説は他には(ほとんど)ないのではないだろうか。
 この本にはループ量子重力理論の解説がある。この解説は、日本語の本ではほぼ初だろう。格子上の電磁力学の解説から入っており、分かりやすいと思う。スピンネットワークの解説は短いが、ループ量子重力理論の本質はきちんと解説されている。
 超ひも理論の解説も的確である。特に、超ひも理論は「スピン2, 質量ゼロの素粒子が存在することをもって, 重力の法則が再現できると主張しているだけである. 超ひも理論に含まれるスピン2の素粒子の場が計量テンソルそのものであることを示す明確な根拠はない.」という解説は、今までにはなかったのではないだろうか。この本は、このように批判的な記述があるのが良い。私は、今村洋介『別冊数理科学 超弦理論の基礎 2011年 01月号 [雑誌]』を読んだが、超ひも理論の言う“重力場”が本当に計量テンソルなのか? について腑に落ちないでいた。だが、この本の解説でやっと納得がいった。このようなこともあるので、一度 超ひも理論の専門書を読んだ人や、今読んでいる人もこの本を読むべきではないかと思う。
 最後に、参考文献を挙げておく。ループ量子重力理論については、別冊数理科学 2009年10月号『量子重力理論− 広がる多彩な最前線 −』がより詳しい。超ひも理論については、今村洋介『別冊数理科学 超弦理論の基礎 2011年 01月号 [雑誌]』, Barton Zwiebach, “A First Course in String Theory” が比較的やさしい入門書である。また、『物理学最前線 3』の中西 襄 氏による「重力場の量子論」も読むと良いかもしれない。ホーキング輻射の解説は、Robert Wald, “General Relativity”などにもあるが、日本語の、小玉 英雄ら『物理学最前線 (12)』で十分だろう。なお、この明解量子重力理論入門では、第7章のホーキング輻射の解説が少し間違っていて、難解になっているように思える。念のため最後に一つ言っておくと、竹内 薫はこの分野の“解説”書を何冊も書いているが、彼の“解説”はどれも解説と言えるレベルのものではない。ただ数式を交えただけの“解説”書とこの本とでは、ジャンルからして異なる。
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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
一般相対性理論に量子ゆらぎを取り入れると近距離極限での発散を引き起こしてしまい「くりこみ不能」の問題が生じる。ループ量子重力理論では時空の連続性を保ちながらループ状態が時空の最小単位を生み出すことによって近距離極限での発散が起きないようにする。超ひも理論では拡がりを持つひもを考えることによって発散を回避する。これらについての本質を数式も用いて丁寧にわかりやすく説明している。ホーキング輻射、初期特異点、カルツァクライン機構などについても他の一般書や入門書に比べてきちんとわかりやすく説明されていると思う。筆者は科学史にも造詣が深くどのように量子重力理論に取り組むべきかについても考えさせてくれる良書である。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書は,究極理論の唯一の候補と自称する超弦理論と,それに対抗意識を燃やして近年盛んに喧伝されているループ量子重力理論の紹介である.この種の本は,専門家向けの難解なものでなければ,大概論理構成の全く不明な「お話」であって,結局何がどうなっているのか分からずじまいになるのが普通であろう.この本はそのギャップを埋める試みである.それで本書の前半は,その準備のため場の量子論や一般相対論の要約に費やされている.論理を明確にさせるため,数式は遠慮なく使われている.後半はループ量子重力と超弦理論の簡単な解説である.前者について,和書は今までスモーリン自身の著書の和訳と竹内薫のひどい本くらいしかなかったようなので貴重である.しかしちょっと簡潔すぎるようで,これだけでは物理学の理論の体をなしているようには思えない.ブラックホール・エントロピーの話が詳しいが,これは量子重力というより半古典的問題であろう.ブラックホールそのものを量子重力で取り扱えるわけではないのだから.
著者は,特定の理論の賛成派でも反対派でもなく,わりとクールな眼で理論を眺めている.しかし,量子重力のような物理学の基本概念にかかわる問題を扱うのに,基礎的なところでもう少し批判的であってほしかった.摂動論におけるくりこみ可能性は,量子重力の満たすべき必須の条件ではない.くりこみ可能とは,高エネルギーでの振舞いが不明であっても低エネルギーでの有効理論が作れるということである.プランクエネルギーが最高のエネルギーであるならば,そのエネルギー領域を扱う量子重力までもがくりこみ可能だったら,話が閉じなくなるのだ.また,場の量子論を演算子形式で定式化するより,たんに分かりやすいからという理由で経路積分での定式化に話を限定して量子重力を論ずるのは,少々偏狭であろう.とくにp.18-19で両者が同等でないことを認めているのだから.
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