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明治天皇という人
 
 

明治天皇という人 [単行本]

松本 健一
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商品の説明

内容紹介

西郷への親愛の情、日露戦争への嫌悪など、明治天皇の人間性・個性を探り明治という時代を照らしだす明治天皇の「人間宣言」ともいうべき傑作評伝。

内容(「BOOK」データベースより)

わずかに残された明治天皇の肉声を渉猟し、その個性・人格を探り、近代日本を捉えなおす著者畢生の評伝大作。

登録情報

  • 単行本: 448ページ
  • 出版社: 毎日新聞社 (2010/10/8)
  • ISBN-10: 4620320145
  • ISBN-13: 978-4620320144
  • 発売日: 2010/10/8
  • 商品の寸法: 19.5 x 14 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
いわゆる、暴露本ではない。
資料を丹念に読み込みながら「天皇」の本質に迫った、興味津々の評伝。

左上に表紙(カバー)の画像があるが、これは本文によれば、
明治44年11月、福岡県内で行なわれた陸軍大演習のさいの
撮影写真をもとにしているという。
「顔は明らかにむくみが出ており、腎臓を病んだ症状があらわれている」
とのこと。
明治天皇は、糖尿病の悪化による内臓疾患が進み、翌年7月崩御。

維新草創期の西郷隆盛、山岡鉄舟、大久保利通、隆盛期の伊藤博文と、
高校生でも知っている著名人の逸話もふんだんに出てくるが、
天皇の竹馬の友だった侍従・藤波言忠の意外な活躍がまず面白く、
横井小楠、元田永孚、井上毅と続く、肥後熊本藩出身者が培った、
人格面と制度面の影響力の大きさにも、改めて驚く。
また、陸奥宗光と大隈重信が、なぜ天皇に嫌われたか、ということを
検証することで、天皇の人間観が浮かび上がってくるくだりもなかなか。

もちろん、福沢諭吉や、蘆花、漱石など、有力な文筆家が残した
天皇像についての言及も粗漏はない。
彼らを含め、多くの事績と発言の紹介、豊富な記録の分析による的確な叙述が、
明晰な「明治天皇像」を結ぶことに成功しているといえよう。

なお、最初に触れた画像は、本文中では明治天皇の最も有名な「御真影」
と並んで掲載されている。こちらは、キーン『明治天皇』第4巻(新潮文庫)
のカバーを飾っており、「大帝」としての威厳に満ちている。
本書が「天皇の肉声」にこだわり、最晩年の“横顔”で装ったのは、
装幀家(菊地信義)の意向があるにしても、キーン著作とまことに対照的。

キーンさんの大著(文庫4冊!)はちょっと、という人も、
あちらを読んで「?」「!」な方も、ぜひお勧め。
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 明治天皇の素顔を明らかにしたいということだが、
明治天皇への敬慕、敬愛の念は余り感じられない。
かといって反感のようなものがあるわけでもない。
 何となく読み応えがない本だった。やはり人物の
素顔に迫るという書物は、一定の敬愛がもとになる
べきだと思う。

 「人」という題は、良くある「人間・・・」を思
い起こさせる。陳腐で好きになれない。
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明治天皇関係の書籍や多くの資料などを駆使して、可能な限り『明治天皇という人』に迫ろうとした書である。
かって書かれている明治天皇像とは、一線を隔した書にしたいとの著者の思いが伝わってくる。
資料の少ない明治天皇の肉声にもかかわらず、明治維新草創期から、明治天皇とかかわった人達が残した回想録や資料を精査することに多くの時間と労力を著者が費やしたのではないだろうか。
ただ、どうしても明治天皇の人となりを語るためには、多くを明治維新から明治天皇崩御までの日本の歴史でページを埋めてしまうことになるのは仕方がないのかもしれない。
しかし、私には、『明治天皇という人』という著者が意図している本書のテーマより、近代日本を草創した人達の逸話などが、随所に語られていたから、教科書的な歴史事実とは一味ちがった趣があり実に新鮮であった。
例えば、まだ16歳で幼さの残った明治天皇が宮中で女官達を集めて戦争ごっこのような遊びに興じていたのを見た西郷が”そのような子供じみた遊びをしていると京都に帰らせてしまいますぞ!”と諌めた話などは、想像するだけで微笑ましく思ってしまう。
その後、宮中改革を西郷が進め、多くの女官や公家達に囲まれ軟弱に少年期を過ごしてきた天皇を、まるで親が子供を教育するように、質実剛健な青年天皇に育てていく逸話が多く語られていてる。
西南の役後も明治天皇は、ことあるごとに、西郷の思い出話を懐かしそうに語ったとのことである。
明治国家を作成したのは大久保利通・伊藤博文といったスティッマンであるが、西郷隆盛、大久保利通、岩倉具視亡き後、『大日本帝国憲法』発布まで伊藤博文が多く寄与したことなどが詳細に書かれていた。
この『大日本帝国憲法』を、福沢諭吉などは『皇統連綿』の血統主義として批判したから物議をかもした。
加藤弘之(東大総長)は、西洋文明、立憲君主制を、ひいては天皇機関説を、若き天皇に説いていたが、時の元老院議官の海江田信義に脅迫され、その説を退け、三十年後には天皇は国家なりなどとのイデオロギーへ転向しているから理解しがたい。
『大日本帝国憲法』発布から26年後の大正4年に、衆議院議員で法学者でもあった斉藤隆夫は、『憲法及政治論集』で、明治憲法の危うさを大いに批判したが大勢を変えるまでにいたらなかったことが、その後の日本の失敗の一因であったのだろう。
2000年12月7日にひらかれた衆議院憲法調査会で著者が「不磨の大典」に触れた講演をした後に、中曽根康弘も、”この時に憲法改正しなかったことが日本の失敗につながったんですね”と話しかけてきたと著者が書いていた。
天皇がシステムとして如何に関わって明治という歴史を刻んできたのかを、本書では本当に理解しやすく書かれていたが、少し難を言わせてもらうと時系列が前後している箇所が多くあることだろう。
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