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私は実は竹内洋著「教養主義の没落」を読んでいささか混乱した頭で本書を手に取ったのであった。そして納得し満足した。ここでは「教養」が時代の子であり、「時代を越える定数だが、同時に、時代によって異なる変数を包摂する」ものとして示され、またそれが個人にとっても社会にとっても失うことのできない宝であることが説得力をもって説かれている。
そればかりではない。著者はまたその「教養」が絶滅に瀕して久しいことも明らかにする。この著者の発言は、安易に同質的な文化の連続性を前提として日常を生きる人々に日本、あるいは日本社会が直面している問題の容易ならざることを思い知らせるものである。