以前に、尊敬している方から、「日本人は“短伝(たんでん)”といって、親から子にいろいろな面について短く伝えていくという文化があった。でも、戦争でそれが全て台無しになってしまった。」と聞いたことがあります。なんのことかしら。と思っていましたが、この本を読んで日本人が何を大切に思い、そして子供に何を伝えてきたのかが理解できました。
とかく、今の日本人の悪いところばかり示した本が多い中、自分たちの先輩方がいかに生き、それが海外の方々にどんな感銘を与えたかなどが、わかりやすく、優しく綴られており日本人である私達に自信と誇りを与えてくれる希望に満ちた本であると思いました。
この本は単に日本が素晴らしいなどと書いている本ではなく、アメリカ人との接触を通じて文化の違い、その素晴らしさなども明らかにしています。良い面はお互いに取り入れてゆく姿勢についてなどもよくわかります。そして文化が違っても人間の情は同じであるということも読み取れます。
世界の国々は文化が違っても心がつながる可能性があり、国家はそれぞれ誇れる個性の良い面、悪い面を知って国際社会に貢献することが大切なのだとも思いました。国家とは人であり、私達個人に置き換えられるものであるとも思いました。
一人の日本人であるかぎり日本の良い面、特に精神的において優れていたところを知ることは大切であると思います。優れていたところ、と過去形にしてしまってますが、今の日本人の状態は私も含めて過去形で明記するしかないように思います。しかし、この本と通じ合う感性があることが救いとなっている。まだ、やり直せそうな希望があると思いまました。この本と通じ合う何かがない。なんのことだかわからない。という方が少ないことを祈りつつ・・・私はこの本をお薦めします。