庶民の人生とは、
いわばレコードに刻まれたスクラッチノイズのようなもので、
と、著者がいったかいわぬかは知らないが、
とにかく、音楽のまわりにあって、
すこし音楽をじゃまするような、
庶民の歴史(芸能史)が書かれている。
著者本人も、何を、
というのではなく、思いのままに、
庶民文化を掘り起こしているのだから、
この本は、気ままに頁をめくって楽しめれば、
それでいいのだ。
弥生式土器の発掘にちなんだ「文京区弥生」の
地名をめぐってのサトウハチローや住民の怒りに
ついての記述があると思えば、
フレッチャー・ヘンダースン発、セックスアピール経由で、
明治の女子大学の創始者である女史たちへと話はずれこむ。
やはり芸能史は楽しい。