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明暗 (新潮文庫)
 
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明暗 (新潮文庫) [文庫]

夏目 漱石
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (33件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

漱石の死で未完成に終った作品。自然主義に近い客観的態度で人間の醜悪を余りなく描破しながら、漱石が背後に意図したものは【則天去私】という真実の生き方であった。(井上百合子/佐古純一郎)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった…。濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。

登録情報

  • 文庫: 685ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2010/01)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101010196
  • ISBN-13: 978-4101010199
  • 発売日: 2010/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (33件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
つい半歳ほど前に結婚したばかりの津田。新妻お延とはどこかしっくり行っていない。京都の実家からは援助を打ち切られ、金策に奔走しつつ、痔の手術で入院する羽目にもなる。そんな津田にはお延の前に愛した女性がいた・・・。

その巧みな心理描写が素晴らしい漱石ですが、この「明暗」とそれまでの小説と決定的に違うのは、その心理描写が主人公だけでなく、脇を固めるキャラクターにも徹底されていることだと思います。妻お延、妹お秀、津田の世話を焼く吉川夫人、津田の友人小林など、さまざまな登場人物の心理が書きこまれ、人と人のあいだに生じる誤解、思惑の違い、駆け引き、そうしたものの存在と、それが人間関係に与える影響が、浮き彫りになっていきます。結果として、どちらかと言うと主人公自身の心理に焦点を当てた、漱石のそれまでの小説とは、まったく違った深みを持つ結果となっているように思います。人間は他人を、自分の行動パターンに照らして分析しがちだが、実は自分とはまったく違う利害関係でもって思考し行動している、そしてそのズレは埋めあわせがつかないくらい決定的だ、そんなことを考えてしまいました。この小説が未完で終わっているのは、何ともなんとも残念なことです。だからこそ想像力をかき立てられる部分もあるのでしょうが・・・。

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
夏目漱石の小説は、大方の人の例に漏れず『吾輩は猫である』と『坊ちゃん』から入った。もう20年以上前の事だが、その二作の面白さはずいぶん鮮明に記憶に残っている。だが名作の誉れ高い『こころ』は読了まで苦労した覚えがある。つい最近『草枕』を読んで、夏目漱石の変遷を知る為に「よし遺作となった明暗からあえて逆順に全部読んでいこう」と思い立ち本書を読んだ。〜ご存じの通り、夏目漱石という人は多作な作家だ。そして『吾輩』から『草枕』と読んでみると、その変化の大きさに驚く。そしてあの多作にも関わらず、朝日新聞の専属作家として書き始めてから亡くなるまで、十年程度しか経ていない。
そして本作なのだが、著者の余りに鋭敏すぎる感受性とその緻密な論理性に「凄い変化を遂げていく人だなあ〜」と思いを新たにした。大学で文学専攻だったが、第二次大戦後の純文学ばかり読んでいた上に、不勉強なため、夏目漱石が作家として本格活動した十年間にどんな文学理論や作劇法の変化、ヨーロッパ近代小説の影響を受けていたのかは知らない。だが、『吾輩〜』から本作の変貌を観ると、たった十年余りの活動期間でここまで変化した作家はそういないと思う。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
漱石未完の大作。約90年前に書かれた小説ですが、現代人が読んでももの凄くリアルに思えます。漱石の後期の他の作品との最大の相違点は、主人公の脇をかためる女性の心理が男性と同格に描写されているということです。主人公一人の視点ではなく、他の登場人物の視点も描かれています。また、所謂近代知識人は登場しません。こころや行人も傑作だと思いますがテーマが近代知識人の自我の苦悩というものなので、謎の部分もあります。(特に僕ら中学生や高校生には)それに対して明暗は描くのは市井の人間ですのでそういう意味では分かりやすいと言えます。(但し人間のエゴを描くのは共通しています。)全体としては異様なまでに緊迫した人間関係や心理の機微を巧みな文章で描写して、誰もが持つエゴを直視しています。漱石の小説は勿論、日本の近代小説の中でも最高傑作のひとつだと思います。
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未完だから素晴らしいのか・・?
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投稿日: 12か月前 投稿者: 孤心文庫
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30年ぶり,まだ2度目の「明暗」です。
「門」の次に,ほぼ30年ぶりに「明暗」を読み始めた。
やはり,漱石の世界に引き込まれる。
投稿日: 2010/2/23 投稿者: なますて
水村美苗氏の「続明暗」を読む前に
いうまでもなく漱石最期の未完の小説である。大正5年に朝日新聞に掲載されて漱石の死とともに終わった。そして我が敬愛する評論家、江藤淳の「漱石とその時代」も「明暗」を... 続きを読む
投稿日: 2010/2/16 投稿者: それから
未完の小説ゆえの魅力
小説冒頭、いきなり主人公の「痔」の診察場面からという導入(漱石自身も体験者)もすごいが、本書は読んでいてまったく古さを感じさせない。... 続きを読む
投稿日: 2009/12/20 投稿者: ワッピ
漱石には珍しく女が活きている作品
漱石の作品には謎めいて何を考えているか良く解らない女性が登場することが多いが、... 続きを読む
投稿日: 2009/12/14 投稿者: soulpower
書かれたことよりも書かれえなかったもののほうがより想像力を掻き立てられることは本当である。
漱石は最後の未完の小説で近代人の俗物心理を、まるで動物たちを観察する視線で眺めた(『吾輩は猫である』の猫のように)。それが徹底的で、執拗であった。こうした近代の俗... 続きを読む
投稿日: 2009/8/20 投稿者: ワインドアップバード
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