橋本治が『広告批評』に連載していた時評(?)「ああでもなくこうでもなく」シリーズのファンで、単行本も6冊揃えましたが、間もなく『広告批評』が休刊するから、とまだ連載が続いているのに単行本最終巻が刊行されたときは少し不思議な気分でした。『広告批評』とともに連載を終えるのはまだ分かるのですが、なんで最後までまとめてださないのだろうか(単行本に収録されない分が惜しいなあ)、と。
要するに、『広告批評』と共に出版社のマドラ出版もなくなってしまったのですね。この理由が本書のまえがきで記されていて、そうだったら最終巻でそう断っておいてくれれば良かったのに、と思いました(笑)。
本書は、既刊行本化された1997年から2008年前半分のダイジェストである第1部「昨日の中の明日」、そして未単行本化分(連載8回分)の第2部「明日の中の昨日」から構成されています。第1部は既読でしたが、ダイジェストでまとめて読むとなんとなく時代の流れが分かって割とよかったです。お目当ての第2部はいつも通り橋本節が堪能できました。
こうした形で「ああでもなくこうでもなく」をまとめてくれた集英社に感謝です。
最後に昨年の対談本『橋本治と内田樹』でのパートナー内田さんが解説を付していて、編集者が純粋に橋本治ファンのサービス精神にあふれる人なんだろうなあと思いました(内容的には、対談本を読んだ者には既知のことですが)。