アルツハイマーを患う夫婦の物語ということだったので 特に思いいれはなかったのですが、(まだあまり関係ないと思って)渡辺謙さんのファンなので観ました。広告代理店の管理職でバリバリ仕事をしていた渡辺謙が、発病してから少しずつ記憶を失い、仕事も家族との関係も変わっていく様子が細かいエピソードの中で描かれていて、どきどきしました。
ヘビーなテーマなのに 鑑賞後にとても明るい気持ちになれるのは、ラストで渡辺謙が一番身近な妻を妻と覚えていられなくなったのに、彼女をみて、懐かしい、はにかんだような、そして、これからこの人とちょっと話しをしてみたいな、というような表情を樋口可南子に対して見せるシーンが出てきたからです。渡辺謙のその演技力にとことん引き込まれたし、樋口可南子がその短い瞬間にすべてを悟り、それを受け入れ、新たな出会いとして歩き始める(という演技力もまたすごい)強い心に感動させられたのです。渡辺謙は樋口可南子が好きだし、樋口可南子はそんな渡辺謙が好きなのです。
なんとなく夫婦になってしまった、こんなんでいいのか?と後で思う夫婦って多いと思うのですが、よく考えるとその”なんとなく”は実はとても奥が深くて、自覚してないけど、自分にとってとても大事な人を選んでいるのだろうなと気づくにいたりました。渡辺謙さんが観たくて観始めた映画ですが、樋口可南子さん、とても素敵でした。