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ココロに花をでは、初めて愛を歌う宮本のぎこちなさも感じられたが、このアルバムでは愛を語ることに少し慣れ、聴者を惹きつける曲作りが上手くなったように感じる。そもそも宮本の曲は決して聴者に理解を求めるスタンスは無かった。にも関らず聴者はエレカシの曲に否応無く自分自身を重ね合わせざるを得なかった。しかしこのアルバムでは宮本の持つ人生観や恋愛観、そして音楽的・詩的才能を出来るだけ多くの人に理解してもらおうという意思が感じられる。皮肉にも、とても残念なことに、一般のヒットチャートを追うリスナーにはその意思は今ひとつ届かず、逆に古くからのファンを落胆させる中庸な印象を与える結果となってしまった。
だが敢えて言う。このアルバムに収録された曲々は宮本が聴者を自ら意識して作った良作だと思う。「風に吹かれて」「遠い浜辺」「恋人よ」などは、先にも述べたように過剰な感情表現を抑えつつも、シンプルで硬派なメロディーに男らしい愛情表現をのせている。どんな硬派な男でも女に恋をする。そんな宮本が愛を歌うとこの様な曲々になるのだろうと納得が出来る。特に「遠い浜辺」には素晴らしいバランスがある。
初期エレカシの爆発的な個性を見出すことは出来ないが、凡百なラブソングと一線を画した好感度の高い硬派な恋愛ソングとして広く勧める事の出来るアルバムと思う。
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