本書は、児童文学者である著者による、
心温まる青春小説。
千波は瀬戸内海にある因島で暮らす女子中学生。
因島出身のロックバンド・ポルノグラフィティの大ファンで、
メンバーの母親の顔を見るため、クラスメートと実家に行き
ピンポンダッシュまでしている。
そんな彼女の悩みの種は、里子として家に来た大地。
いつも自由ほん放に遊ぶ大地にも、
そんな大地を甘やかす母にもイライラは募るばかりだ。
将来への希望と自分のしたいことが見つからない不安。
大地や大地を迎えた母への複雑な気持ち
そして、ある日起きる大事件とその傷跡―
どの場面も印象的でしたが、とりわけ印象的だったのは
千波が大地の寝顔を見ながら、
いとしいと悲しいは同じことなのかもしれない―と思う場面です。
時に迷い、揺れ動きながらも、
心優しい周囲や大好きな音楽に助けられ、
一歩一歩前に進む様子をさわやかに描いた本書。
中高生に限らず、多くの方にオススメしたい著作です。