端的に言えば、この人は音楽を欲する人。一つのCDに連続的なストーリー性をもたせたその功績は絶大なるもの。私はこのハスキーなシャウトが好きだ。今までピンと来るものがなかった人にはぜひ聴いて見て欲しい。奮い立つようなしびれる曲ばかり。ロックの金字塔を打ち立てた黄金盤。日本では長淵剛や佐野元春などその影響を受けた人は多い。こういう歌い方もあるんだと日本に教えてくれた人。私は当時のものを持っているが、このような形で復刻してくれるのは嬉しい。 ジャケットから覗く若き日のスプリングスティーンの溢れんばかりの姿がそこにある。表紙を広げると、裏にいるクラレンス・クレモンズとスプリングスティーンとが互いに強く主張し合っているのがわかる。今でこそスタンダードになった姿だが、当時は強烈だった。「裏道り」は何度聴いても良い。「涙のサンダー・ロード」「明日なき暴走」「ジャングルランド」などどれもすばらしいが、このCDに流れる奮い立つようなドライブ感は今でも忘れられない。 復刻盤ではあるが、当時のものがなかなか手に入らない状態を考えると、やはり貴重なもの。あまり聴いたことがない人はしっかりと歌詞も見て欲しい。そこから聴こえる歌はそれぞれつながっていて一つの物語となっていることに気づいて欲しい。ズバリ、この眼鏡は5つ星(これ以外はつけられない)と見ます。ブルース・スプリングスティーンが己の音楽を昇華した瞬間の煌きがここにある。