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明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子
 
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明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子 [単行本]

太田 治子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

生誕100年を迎える太宰治の文学の魅力は現代の若者をも捉え、空前の《太宰ブーム》が訪れている。本書は太宰文学の最高峰『斜陽』のモデルとなった太田静子と太宰との間に生まれた著者が、満を持して語る「父と母の愛のすべて」である。『斜陽』は母・太田静子の日記をそのまま写した箇所も多い。父・太宰の男としての狡さなども容赦なく見据えながら、尊敬する「文学者・太宰」を真正面から描いた著者渾身の書。

内容(「BOOK」データベースより)

生誕一〇〇年、父として、男としての太宰治の実像がいま明らかに。

登録情報

  • 単行本: 236ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2009/9/4)
  • ISBN-10: 4022506342
  • ISBN-13: 978-4022506344
  • 発売日: 2009/9/4
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 「斜陽」という小説を、好きで好きでずっと読み込んできて、そこには太宰治の終戦後の文学的な決意の全てが描かれていると思っていた。太田静子という実在のモデルがいて、「かず子」そのものの生き方をしていたのは知っていたし、近年の文学研究によって、静子の日記からの引用はかなりの部分にあたることも知っていた。しかし、それはあくまでも太宰サイドからの見方だったわけで……
 娘・太田治子が新たな決意のもとに執筆した本書を読むと、静子が生身の女性であり、太宰治が生身の男性であるという事実に愕然とする。そして作品には美しい終わりがあるが、太宰の死後も静子は娘とともに必死に生き続けたという当たり前の事実に思い至らなかった自分の幼さにも。
 ふたりの往復書簡や、静子への聞き取りから立ちのぼるリアルすぎるやりとりは、「恋と革命」どころか、むしろずる賢い中年作家が、お嬢さんをだまし陥れていく光景で、今となっては中年読者の自分が、読んでいていたたまれない思いにさせられる。しかもこの男、ただずるいだけじゃなくて、弱いし嫉妬深いし図々しいしその上意地悪。読者の私が「そんな『斜陽』を心酔しきって読んでました静子さんごめんなさいっ」と恥じ入るくらいだから、「斜陽の娘」として育った作者の心中いかばかりかと胸が痛む。
 しかし、この本がすごいのは、生々しいふたりの出会いと別れが、「斜陽」という永遠の小説になった文学の強さを、作者自身がどう考えたか。最後の頁を読み、思わず涙が零れてしまった。「斜陽の娘」とは、単にモデルの娘ということでなく、厳しい運命を受け入れて育ち、真に「斜陽」の魂を持つに至った娘、ということなのだ。
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形式:単行本
太宰治を父に、「斜陽」の元になった「斜陽日記」を書いた太田静子を母に持った太田治子さん。冷静に、あくまでも冷静に、真実に基づき、父と母を、あるいは母と父を、ある時は分析し、語る..。そこには、家族も知りえない太宰もいる。人の子として、自分の二人の親をここまで見据えて、冷静に書くことができるものだろうか..。私はそこに涙した..。太田治子さんの心の軌跡を思う時、私は涙が止まらない。二人の子として、苦しみの中から、真実を追求した作者に、私はエールを送りたい。
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形式:単行本
 太田治子さんは、昭和22年11月12日生まれ。父親である太宰は、その半年後に、母とは別の女性と入水自殺をした。彼女は、まだ高校生だった昭和40年に「手記」を、昭和41年に「津軽」を発表している。これは、吉永小百合主演で映画化もされた。「ママ、私、生きていてよかった」という言葉で終わる「手記」「津軽」から40年以上の月日が流れ、太田さんは、父が死んだ年を遙かに超え、母が死んだ年に近づいた。彼女は、「手記」以来、大人になって、父と母の恋愛が本当に理解できるようになったら、一人の大人として父と母のことを書かねばならないと思っていたのだろう。人生の卒業論文を発表するときが、太宰生誕100年の年となった。
 本作品では、結婚、出産、離婚を経て、執筆活動も行い、人生の年輪を重ねて来た著者が、父親と母親の恋愛をこれでもかというほど精密に描いていく。
 それにしても、この作品が生まれたのと入れ替わりのように、太宰が訪れ、静子の「斜陽日記」を読んだ下曽我の家が2009年の暮れに全焼した。誠に皮肉である。
 もし手に入れば、新潮社版「手記」も合わせてお読みいただきたい。赤い表紙にクリーム色の帯。若き日の著者の写真も掲載されている。
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