昆虫の目線で見たら、この世界はどう見えるのだろう。著者は魚眼レンズを使って撮影することで、この問いに一つの明確な解答を出した。魚眼レンズとは、対角線で180度まで撮影できるレンズである。このレンズを使って撮影した写真は、「ぼくのイメージ上の昆虫写真に極めて近い写真になった」と著者はいう。
とにかく、この本を見て欲しい。大変に魅力的な写真が満載である。特に印象に残ったのは、「ホタルの木(インドネシア・スマトラ島)」「アカエリトチバネアゲハ(サラワク)」「コノハムシ」「コノハチョウ」「オオカバマダラ」などであるが、その他の写真も臨場感溢れる貴重なものとなっている。
写真にばかり目を奪われがちだが、解説文も洗練されており、写真と文の二つで二倍に楽しめる。昆虫の大きさと重さ、そして速度についての分析は、まるで生物学者のようだ。テントウムシ、クロオオアリ、ノコギリクワガタ、アキアカネが人間の大きさだったらという視点から体重を比較したもので、着眼点がいい。