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旭日の鉄十字 - インド洋大海戦 下 (C・NOVELS)
 
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旭日の鉄十字 - インド洋大海戦 下 (C・NOVELS) [新書]

三木原 慧一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「我々はナチに与する者にあらず」という意思を、ハルゼー提督たちに示した西城と橘。だが、日本へ向けてマダガスカルを密かに出航した枢軸艦隊の行く手には、ノース・カロライナ以下戦艦三隻を擁する米戦艦部隊と英米の大航空部隊、そしてハルゼーの第七任務部隊が立ちはだかる。「いずれ共闘すべき仲間」との思いを胸に秘め、今はそれぞれの立場で戦うしかない両軍将兵たち。紺碧の海で繰り広げられる大海戦を制し、勝利を掴むのはどちらだ!?―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

三木原 慧一
1996年『超弩級空母大和』でデビュー。緻密でドラマ性の高い戦記執筆を目指す。現在、東京近郊に在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 245ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/12/18)
  • ISBN-10: 412501096X
  • ISBN-13: 978-4125010960
  • 発売日: 2009/12/18
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
怒りと何か 2009/12/20
形式:新書
やられた!
これが本書を読んだ第1の感想であった。

本書は中央公論新書より刊行されている「旭日の鉄十字」シリーズの第4作である。
第1、第2巻においてオーストラリア独立戦争や日露戦争敗戦というアイデアに、ドイツ水上艦隊の日本海軍への全面譲渡という破天荒なシナリオを成立させた三木原氏の筆致は本作でも冴えわたる。
フランス沿岸での激闘を経てインド洋へ進出したドイツ水上艦隊に、進撃を続ける日本海軍の大艦隊が合流。
あの「大和」級戦艦2隻に加えて同じく最新鋭の「翔鶴」級空母2隻が参加する大艦隊は、ドイツから回航されてきた空母4隻、戦艦および巡洋戦艦4隻とともに最強といってもいい戦力を整えるに至った。

対する連合軍も、ハルゼー機動部隊をインド洋へ急派。
さらには画期的な航法システムロランCをもって、陸軍航空隊による洋上での大規模航空攻撃すら計画していた。
すわ、大海戦の幕開けかと思われる緊迫した状況下。
普通の架空戦記ならばここで大海戦の幕開けと相成るのであるが――本作は違う。
 自由フランスという摩訶不思議な中立国を通じて燃料供給を意図的に制限し、自陣に引き込もうとする連合軍に対し、主人公たち枢軸軍がとったのは…「結婚式」。

詳細は省くが、唐突に現出した凪の中で、虚飾は暴かれ、そしてむき出しの人間性が軋む歴史のただ中にさらけ出された。
それは果たして大戦の狂気を振り払う一助になるのか?

と、こういった内容で、唐突ともいってもいいくらい突然にシリーズは終わる。
あっけない。
しかし、史実と、戦場における心理を巧みに絡み合わせながら戦記小説においてはタブーでもある、ある「批判」を成し遂げているのは特筆に値するだろう。
これもまた読んでみないと実感としては分からないと思う。
その点、勝利のカタルシスを求める人にとっては受け入れがたいかもしれないが。

 最後に私的な感想を述べると、正直私は本書に少しばかり怒りを抱いた。
が、それだけでは終わらない。
恐らくは唐突なシリーズの終了である感情に突き動かされた三木原氏が好きに書いたのかもしれない(一例を挙げれば「死亡フラグ」や「御大」などを文中に登場させている。)が、その裏側にあるものを想像できるが上に、「聞き入れがたい正論」を織り交ぜた喜劇的な文章――
どろどろとしたマグマのようなものが滾っているようである。

私としては、筆者が意図していた通りに続編を出してほしいと思うことしきりであるが、またシリーズ名を改めて新発進するのかもしれず、そうなれば上記の愚考は笑い飛ばしていただければ幸いである。
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