久しぶりに読み終えてしまうのが惜しい本に出会いました。
読売新聞の書評の通り★五つをあげる小説です。
小太郎という、賢く心優しい農民の子が,韮山さま(後の北条早雲)に見出され、
千代丸(後の北条新九郎氏康)の軍配者(戦全般を司る専門家)になるべく
足利学校へ入学していきます。十四歳の若さで。
小太郎の濁りのない澄んだ目と心、
難解な学問で脱落者も多い足利学校で、わずか十八歳で教授にならないかと
推挙されるほどの叡智。読者は彼の魅力に引き込まれていくでしょう。
特に「高輪の戦い」。まだ軍配者見習いの身である小太郎が与えた助言は
北条軍の窮地を救っていきます。その合戦の行方には目が離せませんでした。
戦の勝敗は、すべて“軍配者”の腕しだいなのですね。
小太郎を見出した韮山さま(北条早雲)のなんと徳のあるお人柄か!
早雲の領地の治め方は農民たちにとってなんと寛大なことか!
何が何でも戦に勝つのではなく、兵や民が受ける傷を少なくする為の
戦の極意を知っている早雲と、それを受け継ぐ小太郎に
平和の光を見出す、爽快な歴史時代小説です。
表紙の絵の小太郎のりりしい合戦の姿にもご注目を。