私は、早実対駒大苫小牧の試合を見ていません。
ですが、NHKスペシャルを見て、ハンカチ王子斉藤投手と怪物田中投手に興味を持っていたので、この本を買いました。
ちなみに自分は、元高校野球児で、かつてはナンバーを定期購読していたけど、最近5年は、スポーツ観戦とスポーツノンフィクションに興味を失っている人間です。
■良かったところ
・ハンカチ王子人気に便乗した雑誌やTVが多いなかで、この本は、丹念に時間をかけて取材しているのが魅力。
・データな丹念な調査と選手監督への丁寧な取材を通して、伝説の2試合をリアルに、より深く楽しめた。
・選手、監督へのインタビューから得られたコメントが豊富。
・共著形式で、一人の筆者が早実、もう一人が駒大苫小牧を担当。
同じ事実が、それぞれの筆者の取材を通して、両チームが違う見方をしていることが浮かびあがっている。これがわざとらしくないのが、またいい。
例えば、再試合のメンバー表交換の様子なんか、興味深かった。
(内容は読んでのお楽しみ)
・筆者らが両チームの監督と信頼関係を築いているようで、監督の教育論、選手育成論、人生論が聞けるのもいい。
・全国一の高校野球時がどんな練習を、何を意識してやっているか、試合にどんな準備をして挑み、どんなケアをしているか、そんな点も具体的にわかる。
■こんな人におすすめ
・野球指導者
監督への取材が綿密で、どんな教育理念・人生観をもとに、どのような指導をしているかがわかるから。
・高校野球児、高校野球児になろうとしている野球少年
日本最高峰の高校野球児が、どんな練習をして、どんな意識で試合に臨んでいるかがわかるから。
・ハンカチ王子斉藤投手と怪物田中投手のファン
専門的な内容もあるけど、わかりやすい文章で、ハンカチ王子と、怪物田中の素顔(ワイドショーや一般雑誌で報道されているのとは別の)もミーハーな視点でも楽しめる。
・早実と駒大のファン
早実の伝統、文化を知れる。駒大の不祥事報道の影で、実際に悩む選手、監督の姿を理解できるから。
■改善して欲しいところ
・特になし
この値段で、これだけ楽しませてもらったら、十二分です。
最近は、一部の新書に内容が薄いものがありますが、これは違いました。
■まとめ
かなり、本格的なスポーツノンフィクションなのに、気楽に、一気に楽しんで読めるがいい。