著者がこれまで作品に取り上げた業種は、火消し、銭売り、水売り、駕篭屋、飛脚、料理屋、飯屋、材木商、札差などなどいくつあるのか。
今回は今日の新聞屋「早刷り」が題材。
安政二年の大地震で妻子を失い代々続けてきた版木屋の仕事を失ったが、生き残った職人、彫り師、摺り師、売り屋、物書き、鉋職人それに広目屋(広告)の力を借りて新しい分野に挑戦するのが深川の釜田屋岩次郎。新入りをよく思わないのは業界の古手、本所の瓦版屋初田屋昌平。創刊に向けての予告版で火付けの下手人逮捕につながる特ダネを得るなど準備周到だったが、油断のならない妨害が次々と仕掛けられてくる。その大元には公儀が。悪評高い金改鋳をなんとか民に受け入れさせようと広告宣伝を図ろうとして暗躍し始める。これに対抗するために岩次郎が手を組んだのが、なんと・・・どんでん返しは読んでのお楽しみに。
新聞社から出版されているところが皮肉なのか、図星なのか。