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旧石器遺跡捏造 (文春新書)
 
 

旧石器遺跡捏造 (文春新書) [新書]

河合 信和
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

学会もメディアもなぜかくもたやすく騙されたのか
あまりにもお粗末だった捏造の手口。その検証のプロセスをたどって、考古学史上最大の汚点とも言われた事件の全容を明らかにする

内容(「BOOK」データベースより)

藤村新一氏の旧石器遺跡捏造の手口は、科学的にはあまりにお粗末なものだった。だが、考古学の知識が乏しく、講演会で初歩的な質問に立ち往生したほどの彼は、二十数年間も小細工を続けて、輝くばかりの功績を数多く上げている。考古学界やマス・メディアは、なぜかくも容易にだまされ続けて来たのだろうか。本書は彼が関わった遺跡や石器などの科学的検証のプロセスを詳細にたどり、藤村氏の人間的な側面にも触れて、考古学史上最大の汚点とも言われた事件の全容を明らかにする。

登録情報

  • 新書: 193ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2003/01)
  • ISBN-10: 4166602977
  • ISBN-13: 978-4166602971
  • 発売日: 2003/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 613,264位 (本のベストセラーを見る)
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形式:新書
藤村氏による捏造のことはニュースで知っていました。でもそれが、20年に渡り2000点もの石器を「遺跡」に埋め込んでいたという、極めてスケールの大きいものだったということを、この本を読んで初めて知って衝撃を受けました。「遺跡」そのものが、藤村氏によるでっちあげであったことも少なくないという。この本は、捏造発覚後の検証プロセスを丁寧に追いかけるという手法で、捏造がいかにして行われたのかを明らかにしています。土日祭日をすべて費やして現場を踏査するという藤村氏の努力と熱情が、歪んだ方向に向かった結果としての大がかりな捏造。その反面、考古学の知識の乏しい藤村氏による捏造は、極めてずさんで矛盾だらけのものだったことが後の検証で明白になります。では、なぜそれに専門の考古学者、マスコミは20年もの間だまされつづけたのか。なぜ藤村氏の子供だましであからさまな捏造が野放しにされつづけたのか。この本で反省を持って語られるその構図は、学問という営為が政治社会的な性格を強く持ち、それゆえにときに盲目になってしまうこともありうるという恐ろしさを警告しています。他の学問も人ごとではないはずです。捏造の検証に関する技術的な説明は、詳細ではありますが多少重複もみられ、私のようなずぶ素人にはちょっとくどいかなと思いました。でもそれを差し引いても、最後まで一気に読める面白さはありました。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 江口哲学 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
旧石器遺跡捏造事件の実体は他愛のないもので、藤村という一人のアマチュア考古学者が、古い地層にそれより新しい時代の石器を埋め込んでいただけなのである。しかし、専門家も含めてほとんどの人が彼に騙され続け、教科書までもがそれを事実としてしまうのである。本書は藤村氏の人間的な側面にも触れながら、事件の全容を明らかにしようと言うものである。ただ、不自然な点がたくさんあったにもかかわらず、藤村氏は正しいという前提に立った上で辻褄が合うように解釈し、疑念を抱いていた人たちに対しては反論をせずに無視してしまう考古学会やマスメディアの体質についての言及はあっても、行政側の責任については紙幅の関係で触れられていない。

考古学という分野以外でも、藤村氏のような人間はこれからも出てくるに違いない。同じ轍を踏まないためにも、この事件を他山の石とすべきである。また、著者も藤村氏に騙されていたうちの一人であるのだが、自分自身への反省を踏まえながら原因の究明を行った点は高く評価したい。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:新書
 藤村新一と親しかった、1947年生まれの、日本人類学会・考古学研究会等の会員である、朝日新聞社の科学ジャーナリストが、2003年初めに刊行した新書本。2000年11月初頭、日本前期旧石器発見の大権威(「ゴッドハンド」!)である民間考古学者藤村新一による遺跡捏造問題が、毎日新聞社のスクープにより発覚し、日本考古学界に戦後最大の激震が走った。藤村は200にわたる旧石器遺跡に関わり、100%に近い確率で発見を繰り返し、次々と教科書を塗り替えていた。人類学や地質学等からの疑惑の声にもかかわらず、多くの遺跡を見てきた藤村の考古学界での権威、実際に「大発見」を目撃した考古学者の感激、地元やマスコミの熱狂の中で、懐疑の声は無視され、鉄線条痕・押圧剥離・ガジリ等の「あってはならないもの」が見落とされ、逆に自然地形の誤認など、「もとからなかったもの」が「発見」されてしまった。スクープ以後の学界挙げての検証作業の結果、藤村自身の告白を上回る、ほぼ彼のかかわった遺跡全ての捏造が明らかになりつつあり、遺跡認定の取り消し、教科書・研究書の書き換え等が相次いだ。関係者の衝撃は深く、著者自身も藤村の20数年にわたる虚偽を見抜けず、そのまま報道してしまったことに、深い反省と憤りを表明している。考古学のみならず、学問そのものの「客観性」の基盤の危うさ、われわれが不可避的に持たざるを得ない「予断」の怖さがよく分かる、研究者を志す者にとって気分が悪くなるような汚点の記録と言える。なお、考古学界は遺物の真偽の判定規準の確定や3カット撮影等の形で、この教訓に学んでいる。また、著者は幾度も「それにしてもなぜ捏造は行われ、なぜ気付かなかったのか」と問うているが、結局納得のいくような回答は本書では得られていない気がする。
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