非常に面白い。とはいっても、立場によってその面白さあるいは読み方は違うのだろうが。世の奥様方の多くは、井戸端会議に参加している感覚で、主人公(著者の夫)と自らの夫を比較しながら共感を持って読むのだろうし、夫たちの側からすれば、妻が自らのどういうところに不快感や怒りを感じているか、このマンガは改めて発見し確認するための格好の教材だろう。一方、このマンガは、いったんは崩壊しかかった夫婦が息子の誕生とともにその絆を結び直し、安定的な距離感を見つけていく物語、即ちある家族の歴史としても読めるだろう。著者は、時に主人公の夫に対し刺激的な言葉を用いながらも、決して客観的な視点を忘れていない。また、現在と過去を交錯させながら自らの家族の歴史を描き出していく手法にも力量を窺わせる巧みなものがある。たぶん、その辺りが単なる夫の悪口にとどまらず作品としての完成度を高めている理由であろう。広く一読をお勧めしたい。