当事者である自分がこの本を読んで思ったのは、どうも"アスペルガーだから"という
ことでないがしろにしている部分があるんじゃないかということです。
もちろん借金や仕事の問題は大きいですし、それがクリア出来ないのであれば手助けも
必要かと思います。ですがこの本だけを読むと、アスペルガーってすごく"悪者"になって
しまいます。
最初の方に「アスペルガーというのは決まった形があるわけではありません」と書いて
ある通り、本当にそうだと思います。
他のアスペルガー、自閉症スペクトラム障害の本のレビューにも書きましたが、アスペルガーに
対して世の中の人は誤解していますし、アスペルガーの良くない特性ばかりを羅列しているように
しか思えなかったです。それでとても悲しい気持ちになりました(ですが、周りから見たらこう見える
かもしれないと思い読みました)。くよくよしたことがないというのも筆者が捉えた表面的なタイプなのでしょう。
自分自身はくよくよしてばかりでしたし、生きづらさを今でも抱え発達障害支援センターに通っています。
自覚をいかにして促すかということをしないと家庭がうまくいかないのは当然だと思いますし、
別にアスペルガーに限らず病気でも自覚しないとよい方向にいかないことが大半だと思います。
その「いかにして自覚するか?」という問題が一番難しく、そこをクリアしないときっと周りが
何をしてもムダだと思えました。そういう風に思えたからまだ読んだ意味はあったと思えますが、
もしこの本であの人はこうだと決めつけるのであれば良くないです。周りが合わせるだけではなくて
共存の道を歩んで欲しいし、そういう社会になって欲しいと切に願います。
結論としましては"生まれつきの障害"の部分と"育った環境"をごちゃごちゃにされている印象を強く
受けました。健常な方でも環境要因は大きいので、取り立てて"アスペルガーだから"ということを
前面に押し出されると偏見や誤解が生まれると感じました。
こういうタイプの人もいるんだという目を持って読んでいただきたいです。この本の前に出た
旦那(アキラ)さんはアスペルガーはもっと前向きだったのに急に方向転換したみたいな感じで読者は
混乱してしまうのではないかと危惧しています。